Microsoft 365 Copilotで何ができる?活用事例と便利な使い方完全ガイド
「業務効率を上げたいけれど、毎日の資料作成やメール対応に時間がかかりすぎている…」そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくありません。
実際に、日本企業の多くが業務の生産性向上という課題に直面しています。
そこで注目されているのが、Microsoft 365 Copilotです。
このAIアシスタントは、WordやExcel、PowerPointなど、私たちが日常的に使っているツールに統合されており、文書作成からデータ分析まで幅広くサポートしてくれます。
導入企業では、1人あたり月12時間もの業務時間削減に成功した事例も報告されています。
本記事では、Microsoft 365 Copilotで具体的に何ができるのか、どのような活用事例があるのか、そして便利な使い方まで、2025年最新の情報をもとに徹底解説します。
この記事を読むことで、あなたの業務効率を劇的に向上させるヒントが見つかるはずです。
導入を検討している方も、すでに使い始めている方も、Copilotの可能性を最大限に引き出すための実践的な知識を手に入れることができます。
それでは、Microsoft 365 Copilotの世界を一緒に探っていきましょう。
- 1. Microsoft 365 Copilotとは
- 2. Microsoft 365 Copilotで何ができる?
- 3. Microsoft 365 Copilotの活用事例
- 4. Microsoft 365 Copilotの便利な使い方とプロンプト例
- 5. Microsoft 365 Copilotの料金プラン
- 6. Microsoft 365 Copilotの利用方法
- 7. Microsoft 365 Copilotを使う際の注意点
- 8. Microsoft 365 Copilotの導入効果と生産性向上
- 9. よくある質問(FAQ)
- 9.1. Q1. Copilotは日本語に対応していますか?
- 9.2. Q2. オフラインでもCopilotは使えますか?
- 9.3. Q3. 自分の会社のデータは学習に使われますか?
- 9.4. Q4. Copilotの回答は常に正確ですか?
- 9.5. Q5. 無料でCopilotを試すことはできますか?
- 9.6. Q6. 複数のユーザーで同時にCopilotを使えますか?
- 9.7. Q7. スマートフォンやタブレットでもCopilotは使えますか?
- 9.8. Q8. Copilotのプロンプトは英語で書いた方がいいですか?
- 9.9. Q9. Copilotを使うと、Officeアプリの起動が遅くなりますか?
- 9.10. Q10. Copilotのライセンスは何人から購入できますか?
- 10. 今後のMicrosoft 365 Copilotの展望
- 11. まとめ
Microsoft 365 Copilotとは
Microsoft 365 Copilotは、Microsoftが提供するAIアシスタントツールで、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsなどの各種アプリケーションに統合されています。
OpenAIが開発した大規模言語モデル(LLM)であるGPT-4を基盤としており、自然言語による指示に応じて、文書作成やデータ分析、資料作成などを支援してくれます。
Copilotという名称は「副操縦士」を意味しており、ユーザーの業務を横からサポートする存在として設計されています。
2025年時点では、さらに高度なGPT-5モデルも利用可能になり、より複雑な質問にも正確に回答できるようになっています。
Microsoft 365 Copilotの最大の特徴は、単なるチャットボットではなく、日常的に使用するOfficeアプリケーションに直接組み込まれている点です。
これにより、作業の流れを中断することなく、AIの支援を受けることができます。また、Microsoft 365のセキュリティ機能を継承しているため、企業の機密情報も安全に保護されます。
Microsoft 365 Copilotで何ができる?
Microsoft 365 Copilotは、各種Officeアプリケーションと連携して、さまざまな業務をサポートします。
ここでは、主要なアプリケーションごとに、具体的にどのような機能が使えるのかを詳しく解説していきます。
Wordでできること
Wordでは、Microsoft 365 Copilotが文書作成のあらゆる段階で支援してくれます。
プロンプト(指示文)を入力するだけで、報告書や企画書の下書きを自動生成できるため、ゼロから文書を作成する時間を大幅に短縮できます。
具体的には、以下のような機能が利用可能です。
- 文書の自動生成: 「〇〇に関する報告書を作成して」と指示すると、適切な構成で文書の下書きを作成してくれます
- 文章の要約: 長文の文書を数行で要約し、重要なポイントを抽出します
- 文章の校正と改善: 文法チェックだけでなく、文章のトーンや表現を改善する提案をしてくれます
- 翻訳機能: 日本語の文章を英語など他言語に、または逆方向に柔軟に翻訳できます
- 文章の書き換え: 選択した段落を、よりフォーマルまたはカジュアルなトーンに変更できます
また、Wordに保存された既存の文書を参照して新しい文書を作成することもできるため、社内の過去の資料を活用した一貫性のある文書作成が可能になります。
Excelでできること
Excelでは、データ分析や可視化の作業をCopilotが強力にサポートします。
特に、Excelの関数や機能に詳しくない方でも、自然言語で指示を出すだけで複雑な分析が実行できるようになります。
- データの分析: 「売上データの傾向を分析して」と指示すると、データの特徴やパターンを抽出してくれます
- 数式の提案: 「利益率を計算したい」といった目的を伝えると、適切な関数や計算式を提案してくれます
- グラフの自動作成: データの内容に応じて、最適なグラフやチャートを自動生成します
- データの抽出: 「売上が100万円以上のデータを抽出して」といった条件指定ができます
- 予測分析: 過去のデータをもとに、将来のトレンドを予測する分析も可能です
Copilotを活用することで、これまで時間がかかっていた複雑なデータ集計作業を、数秒で完了させることができるようになります。
PowerPointでできること
PowerPointでは、プレゼンテーション資料の作成を大幅に効率化できます。
デザインの専門知識がなくても、プロフェッショナルな資料を短時間で作成することが可能になります。
- スライドの自動生成: トピックや概要を伝えるだけで、適切な構成のスライドを自動作成します
- Word文書からの変換: Word文書を指定して、その内容をもとにプレゼンテーション資料を作成できます
- デザインの統一: フォント、カラーパレット、レイアウトを自動的に統一してくれます
- 画像の自動挿入: 内容に関連する画像やアイコンを提案し、自動で挿入します
- プレゼンの要約: 既存のスライドから重要なポイントを抽出して要約を作成します
ただし、画像の使用については、特に社外向け資料の場合は著作権に配慮する必要があります。
自動生成された画像は、確認してから使用することをおすすめします。
Outlookでできること
Outlookでは、日々のメール対応を効率化する機能が提供されています。
受信メールの処理から返信の作成まで、Copilotがサポートしてくれます。
- メールの要約: 長文メールや複数のメールスレッドを要約し、重要なポイントを抽出します
- メールの下書き作成: 「〇〇について問い合わせるメールを作成して」と指示すると、適切なメール文を生成します
- 返信の提案: 受信メールの内容に基づいて、適切な返信文を提案してくれます
- トーンの調整: メールの文面を、よりフォーマルまたはカジュアルなトーンに変更できます
- スケジュールの管理: メールに記載された会議日時を自動的にカレンダーに追加するよう指示できます
特に、CCで受け取った長いメールスレッドを短時間で把握できる機能は、多くのビジネスパーソンから高く評価されています。
Teamsでできること
Microsoft Teamsでは、会議の効率化やコミュニケーションの改善にCopilotが活躍します。
特に、会議の議事録作成機能は、業務効率化に大きく貢献します。
- 会議の要約: 会議中の発言を自動的に文字起こしし、重要なポイントを要約します
- 議事録の自動作成: 会議終了後、誰が何を発言したか、決定事項は何かを整理した議事録を生成します
- 質問への回答: 「この会議で決まったことは?」といった質問に答えてくれます
- 途中参加者のサポート: 会議に遅れて参加した場合でも、それまでの内容を要約して把握できます
- アクションアイテムの抽出: 会議で決まったタスクや実施項目を自動的にリストアップします
これにより、会議後の議事録作成に費やしていた時間を削減し、より重要な業務に集中できるようになります。
Microsoft 365 Copilot Chatでできること
Microsoft 365 Copilot Chatは、各アプリケーションを横断して情報を検索し、質問に答えてくれるチャット機能です。
2025年1月には新たに法人向けサービスも発表されました。
- 社内情報の検索: 「先週の会議資料はどこ?」といった質問で、社内に保存されているファイルを検索できます
- 情報の統合: メール、チャット、ファイルなど複数のソースから情報を統合して回答します
- アイデアの壁打ち: 企画や提案について相談し、多角的な視点からアドバイスを受けられます
- 業務の自動化支援: 定型業務の自動化やプロセスの最適化について提案してくれます
Microsoft 365 Copilot Chatは、組織全体のナレッジを活用できるため、情報検索の時間を大幅に削減できます。
Microsoft 365 Copilotの活用事例
実際にMicrosoft 365 Copilotを導入した企業では、どのような成果が出ているのでしょうか。
ここでは、具体的な活用事例をご紹介します。
デンソーの導入事例
自動車部品メーカーのデンソーは、2024年4月にMicrosoft 365 Copilotを本社社員6,000人に導入しました。
スモールスタートで効果を測定し、段階的に展開するアプローチを取っています。
導入の成果:
- 導入初期の300人で、1人あたり月12時間の業務時間削減を達成
- 設計部門では、業務時間の削減だけでなく設計品質の向上にも貢献
- 2024年7月には本社30,000人への本格導入が決定
デンソーでは、「カイゼン」の精神のもと、小さな改善の積み重ねが企業の成長につながるという考え方とCopilotの方向性が一致したことが、導入の決め手となりました。
住友商事の導入事例
住友商事は、日本企業として初めてMicrosoft 365 Copilotをグローバル全社導入した企業です。
従業員の生産性向上と創造性の向上を目的として、積極的な活用を進めています。
導入の成果:
- 会議の議事録作成やメール処理など、日常業務の効率化を実現
- 社員一人ひとりの生産性と創造性が向上
- グローバル規模での情報共有とコラボレーションが促進
ベネッセホールディングスの導入事例
ベネッセホールディングスは、Microsoft 365 Copilotに加えて、Copilot Studioを活用して「社内相談AI」という独自のカスタムAIアシスタントを開発しました。
導入の成果:
- 社内イントラネットに蓄積された情報をもとに、社員からの質問に自動回答
- 部門横断的な情報検索が可能になり、情報収集時間を大幅削減
- 各部門の担当者に直接相談する手間が省け、業務効率が向上
この事例は、Copilot Studioを活用することで、ノーコードで独自のAIアシスタントを開発できることを示しています。
富士通の導入事例
富士通は、社内でMicrosoft 365 Copilotのトライアルを実施し、特にTeams会議での活用に力を入れています。
導入の成果:
- Teams会議での議事録の自動生成と会話の要約を実現
- PowerPointでのスライド作成を自動化
- 社内SharePointに蓄積された文書の検索精度が向上
KDDIの導入事例
KDDIは、社内向けAIチャット「KDDI AI-Chat」を開発し、社員が日常業務で活用しています。
また、社内向けに「Copilot for Microsoft 365ワークショップ」を開催し、基本操作や活用方法を学ぶ機会を提供しています。
これらの事例から、Microsoft 365 Copilotは大企業だけでなく、さまざまな規模や業界の企業で活用できる汎用性の高いツールであることがわかります。
Microsoft 365 Copilotの便利な使い方とプロンプト例
Microsoft 365 Copilotを効果的に活用するには、適切なプロンプト(指示文)を作成することが重要です。
ここでは、実践的なプロンプトの書き方と具体例をご紹介します。
効果的なプロンプトの作り方
良いプロンプトには、以下の4つの要素を含めることが推奨されています。
要素 | 説明 | 例 |
---|---|---|
目標(Goal) | 何を達成したいのかを明確に記述 | 「営業提案書を作成する」 |
コンテキスト(Context) | 背景情報や状況を提供 | 「新規顧客向けに、当社の製品の利点を説明する」 |
ソース(Source) | 参照すべき情報源を指定 | 「/[ファイル名]を参照して」 |
期待値(Expectations) | 出力の形式や詳細度を指定 | 「3〜5つの箇条書きで簡潔に」 |
アプリ別プロンプト例
Wordでのプロンプト例
- 報告書の作成: 「/[ファイル]を参照して、プロジェクトの進捗報告書を作成してください。成果、課題、今後の計画の3つのセクションで構成してください」
- 文章の改善: 「この段落をよりフォーマルなトーンに書き換えてください」
- 要約: 「この文書を300字以内で要約してください」
- 業務マニュアルの作成: 「/[ファイル]を参照して、新入社員向けの業務マニュアルを作成してください」
Excelでのプロンプト例
- データ分析: 「2025年上半期の売上データを分析し、地域別の傾向を説明してください」
- グラフ作成: 「月別売上のデータをもとに、折れ線グラフを作成してください」
- 条件付き抽出: 「利益率が20%以上で、利益が100万円以下の項目を不採算と表示する列を追加してください」
- 関数の提案: 「合計金額から消費税額を計算する数式を提案してください」
PowerPointでのプロンプト例
- スライド作成: 「/[Word文書]を参照して、10枚程度のプレゼンテーションを作成してください。各スライドには見出しと箇条書きを含めてください」
- プレゼンの要約: 「このプレゼンテーションの内容を5つの要点にまとめてください」
- デザインの統一: 「すべてのスライドのフォントとカラーを統一してください」
Outlookでのプロンプト例
- メール作成: 「〇〇社の田中様に、次回の打ち合わせ日程を確認するメールを作成してください。候補日は来週の火曜日と木曜日です」
- メールの要約: 「先週受信した山田さんからのメールスレッドを要約してください」
- 返信の作成: 「このメールに対して、了承する旨の返信を作成してください。フォーマルなトーンで」
Teamsでのプロンプト例
- 会議の要約: 「この会議で決定されたことを箇条書きで教えてください」
- 質問: 「〇〇プロジェクトについて、誰がどのような意見を述べましたか?」
- アクションアイテムの抽出: 「この会議から、私がやらなければならないタスクを一覧にしてください」
Microsoft 365 Copilot Chatでのプロンプト例
- 情報検索: 「先週の営業会議の資料はどこにありますか?」
- 情報統合: 「〇〇プロジェクトに関する最新情報を、メール、チャット、ファイルごとに整理して教えてください」
- 企画相談: 「新商品のプロモーション企画について、5つのアイデアを提案してください」
プロンプト作成のコツ
効果的なプロンプトを作成するために、以下のポイントを意識しましょう。
- 明確で具体的に: 曖昧な指示ではなく、何をしてほしいのかを具体的に伝えます
- 文章を分ける: 複数の指示がある場合は、文章を分けて記述します
- 対話を繰り返す: 一度で望む結果が得られなかった場合は、追加の指示を出して調整します
- 期待する形式を指定: 箇条書き、表形式、文字数など、出力の形式を明確に指定します
- 参照元を明示: 特定のファイルやデータを参照してほしい場合は、明確に指定します
これらのコツを活用することで、Copilotからより精度の高い回答を引き出すことができます。
Microsoft 365 Copilotの料金プラン
Microsoft 365 Copilotを利用するには、料金とライセンスの理解が必要です。2025年の最新情報をもとに、料金体系を解説します。
法人向けMicrosoft 365 Copilot
法人向けのMicrosoft 365 Copilotは、月額4,497円(税抜)または年額53,964円(税抜)で提供されています。ただし、このライセンスだけでは利用できず、以下のいずれかのMicrosoft 365ライセンスが必要です。
対象プラン | 月額料金(税抜) | Copilot追加後の合計月額 |
---|---|---|
Microsoft 365 Business Standard | 1,874円 | 6,371円 |
Microsoft 365 Business Premium | 2,750円 | 7,247円 |
Microsoft 365 E3 | 4,500円程度 | 8,997円程度 |
Microsoft 365 E5 | 7,130円程度 | 11,627円程度 |
法人向けプランの特徴は、社内データとの連携が可能な点と、エンタープライズレベルのセキュリティが確保されている点です。
→Microsoft公式法人向けMicrosoft 365 Copilotプランページ
個人向けMicrosoft 365 Copilot
個人向けにも、Microsoft 365 Copilot(月額2,130~3,200円)が提供されています。このプランは、Microsoft 365 PersonalまたはFamily、Premiumの契約に追加する形で利用できます。
ただし、2025年1月には、個人向けMicrosoft 365にCopilotが統合され、30〜40%の値上げが実施されました。
プラン | 旧価格(年額) | 新価格(年額) | 値上げ額 |
---|---|---|---|
Microsoft 365 Personal | 14,900円 | 21,300円 | +6,400円 |
Microsoft 365 Family | 21,000円 | 27,400円 | +6,400円 |
新価格では、Copilot機能が統合されていますが、既存ユーザーは期間限定で「クラシック」プランを選択することで、Copilotなしで料金据え置きのプランを継続することもできます。
→Microsoft公式個人向けMicrosoft 365 Copilotプランページ
無料版のCopilot
Microsoft 365を契約していない方でも、無料版のCopilotを利用できます。
無料版は、Webブラウザでcopilot.microsoft.comにアクセスすることで、チャット機能を利用できます。
ただし、無料版では、Word、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリケーション内での機能は使用できません。
無料版は、Copilotがどのようなものか試してみたい方や、簡単な質問やリサーチ用途に適しています。
料金プランの選び方
どの料金プランを選ぶべきかは、あなたの利用目的と規模によって異なります。
- 個人ユーザー: Microsoft 365 Personal + Copilot Proの組み合わせが最適です(2025年1月以降は統合プラン)
- 小規模企業(1〜300人): Microsoft 365 Business Standard + Copilotが費用対効果に優れています
- 中堅〜大企業: セキュリティ要件に応じてE3またはE5 + Copilotを選択します
- 試用したい方: 30日間の無料トライアルが利用可能です
Microsoft 365 Copilotの利用方法
Microsoft 365 Copilotを実際に使い始めるための手順を、わかりやすく解説します。
導入から初回利用まで、スムーズに進められるようにステップごとにご紹介します。
必要な準備
Microsoft 365 Copilotを利用するには、以下の準備が必要です。
- Microsoft 365のライセンス: Business Standard以上のプランを契約
- Copilotライセンスの追加: Microsoft 365管理センターからCopilotライセンスを購入・割り当て
- 最新バージョンのOfficeアプリ: Word、Excel、PowerPointなどを最新バージョンに更新
- インターネット接続: Copilotはクラウドベースのサービスなので、安定したインターネット接続が必要です
Copilotライセンスの購入手順
組織の管理者の方は、以下の手順でCopilotライセンスを購入できます。
- Microsoft 365管理センター(admin.microsoft.com)にアクセス
- 左側メニューから「課金」→「サービスを購入する」を選択
- 「Copilot for Microsoft 365」を検索
- 必要なライセンス数を選択して購入
- 「ユーザー」→「アクティブなユーザー」から、Copilotを利用させたいユーザーにライセンスを割り当て
各アプリでのCopilotの起動方法
Wordでの起動方法
- Wordを開き、新規文書または既存の文書を開きます
- 上部リボンに表示される「Copilot」アイコンをクリック
- または、文書内に「/draft」と入力してCopilotを呼び出します
- サイドパネルが開き、プロンプトを入力できるようになります
Excelでの起動方法
- Excelでデータを含むワークシートを開きます
- リボンの「Copilot」アイコンをクリック
- データがテーブル形式になっていることを確認(テーブルでない場合は、Copilotがテーブル化を提案します)
- プロンプト入力欄に指示を入力します
PowerPointでの起動方法
- PowerPointを開き、新規プレゼンテーションまたは既存のファイルを開きます
- リボンの「Copilot」アイコンをクリック
- 「スライドの作成」または「要約」などの機能を選択
- プロンプトを入力して指示します
Outlookでの起動方法
- Outlookを開き、メールボックスを表示します
- メールスレッドを選択した状態で、上部の「Copilot」アイコンをクリック
- または、新規メール作成時に「Copilotで下書き」オプションを選択
- 指示を入力してメールの作成や要約を依頼します
Teamsでの起動方法
- Teams会議に参加します(文字起こしを有効にしておくことが推奨されます)
- 会議中または会議後、チャットパネルの「Copilot」アイコンをクリック
- 「この会議を要約して」などの質問を入力します
- 会議のハイライトや決定事項を確認できます
初めて使うときのポイント
Microsoft 365 Copilotを初めて使用する際は、以下のポイントを意識すると、スムーズに活用できます。
- 簡単なタスクから始める: まずは文章の要約やメールの下書きなど、シンプルなタスクから試してみましょう
- フィードバックを活用: Copilotの回答に対して「良かった」「改善が必要」のフィードバックを送ることで、精度が向上します
- 段階的に指示する: 複雑な作業は、一度に指示するのではなく、段階的に進めるとよい結果が得られます
- 出力を確認・編集する: Copilotの生成した内容は、必ず人間が確認・編集してから使用しましょう
Microsoft 365 Copilotを使う際の注意点
Microsoft 365 Copilotは非常に便利なツールですが、効果的かつ安全に活用するために、いくつかの注意点があります。
セキュリティとプライバシー
Microsoft 365 Copilotは、エンタープライズレベルのセキュリティを提供しています。具体的には、以下の保護機能があります。
- データの暗号化: 通信データは転送中および保存時に暗号化されます
- アクセス権限の継承: Copilotは、ユーザーがアクセス権限を持つデータのみを参照します
- データの学習に使用しない: あなたの会社のデータは、Microsoftのモデルのトレーニングには使用されません
- コンプライアンス準拠: GDPR、HIPAA、ISO 27001などの国際的なコンプライアンス基準を満たしています
ただし、機密性の高い情報を扱う際は、組織のセキュリティポリシーを確認し、適切な利用ガイドラインを設定することが重要です。
生成された内容の確認と編集
Copilotが生成する内容は、必ず人間が確認・検証する必要があります。AIは便利なアシスタントですが、以下のような制限があります。
- 誤った情報を生成する可能性: AIは事実と異なる内容を自信を持って出力することがあります(ハルシネーション)
- 文脈の誤解: 複雑な指示や曖昧な表現は、意図と異なる解釈をされる場合があります
- 最新情報の制限: Copilotの知識は定期的に更新されますが、最新の情報を反映していない場合があります
- 創造性の限界: 画期的なアイデアや独創的な表現は、人間の視点と組み合わせることで初めて生まれます
したがって、特に重要な文書や対外的な資料では、必ず複数人でレビューし、事実確認を行うことをおすすめします。
著作権と引用
Copilotが生成した文章や画像を利用する際は、著作権に配慮する必要があります。
- 生成コンテンツの著作権: Copilotが生成した内容は、基本的にユーザーが自由に利用できますが、第三者の著作物を参照した場合は注意が必要です
- 画像の使用: PowerPointで自動挿入される画像は、商用利用可能かどうかを確認してください
- 引用の明示: 外部ソースの情報を使用する場合は、適切に引用元を明記しましょう
過度な依存を避ける
Copilotは業務を効率化する優れたツールですが、すべての作業を任せるのではなく、人間とAIの協働を意識することが大切です。
- 思考力の維持: 自分で考える習慣を失わないよう、Copilotは補助ツールとして活用しましょう
- 専門性の発揮: あなたの業界知識や経験は、Copilotにはない価値です。AIの出力に専門的な視点を加えることで、より質の高い成果物が生まれます
- 批判的思考: Copilotの提案を鵜呑みにせず、常に批判的に評価する姿勢を持ちましょう
組織での活用ガイドライン
企業でCopilotを導入する際は、以下のようなガイドラインを設定することが推奨されます。
- 利用ポリシーの策定: どのような業務でCopilotを使用してよいか、禁止事項は何かを明確にします
- 教育・トレーニング: 社員向けに適切な使い方を教育する機会を設けます
- 成果の共有: 効果的な活用事例を社内で共有し、ベストプラクティスを蓄積します
- 定期的な見直し: 利用状況をモニタリングし、ガイドラインを継続的に改善します
Microsoft 365 Copilotの導入効果と生産性向上
Microsoft 365 Copilotを導入することで、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、データに基づいた導入効果をご紹介します。
時間削減効果
Microsoftが実施した調査によると、Copilotの利用によって以下のような時間削減効果が報告されています。
業務内容 | 削減される時間 | 効果 |
---|---|---|
会議の議事録作成 | 1回あたり15〜30分 | 会議後の作業時間が大幅に削減 |
長文メールの要約 | 1件あたり5〜10分 | 受信トレイの処理速度が向上 |
プレゼンテーション作成 | 1件あたり30〜60分 | 下書き作成の時間が短縮 |
データ分析 | 1回あたり20〜40分 | Excel関数の習得が不要に |
文書検索 | 1回あたり5〜15分 | 必要な情報への素早いアクセス |
デンソーの事例では、1人あたり月12時間の削減を実現しており、年間では144時間、約18営業日分の時間を他の重要な業務に充てられるようになりました。
生産性向上の実感
Microsoftの調査では、Copilotユーザーの約70%が「生産性が向上した」と回答しています。具体的には、以下のような声が寄せられています。
- 「定型的な作業から解放され、創造的な業務に集中できるようになった」
- 「会議の準備時間が半分になり、より多くの会議に参加できるようになった」
- 「メール処理のストレスが軽減され、重要な案件に注力できる」
- 「データ分析のハードルが下がり、データに基づいた意思決定ができるようになった」
業務品質の向上
時間削減だけでなく、業務の質そのものが向上したという報告も多くあります。
- 文書の一貫性: Copilotが過去の文書を参照することで、表現や書式が統一された文書を作成できます
- 誤字脱字の削減: 自動校正機能により、細かいミスが減少します
- 多角的な視点: Copilotが提案するアイデアにより、見落としていた視点に気づくことができます
- 情報の網羅性: 関連情報を自動的に収集してくれるため、情報漏れが減ります
ROI(投資対効果)の計算
Microsoft 365 Copilotの導入コストに対して、どれだけのリターンがあるかを簡単に計算してみましょう。
例:従業員100人の企業の場合
- Copilotライセンス費用:4,497円 × 100人 = 月額449,700円
- 時間削減効果:12時間/月 × 100人 = 1,200時間/月
- 時給3,000円として:1,200時間 × 3,000円 = 3,600,000円/月の人件費削減効果
- ROI = (3,600,000円 – 449,700円) ÷ 449,700円 × 100 = 約700%
このように、適切に活用すれば、投資に対して大きなリターンが期待できます。
導入成功のポイント
Copilotの導入効果を最大化するには、以下のポイントが重要です。
- 段階的な展開: 小規模なグループでテストし、効果を確認してから全社展開する
- チャンピオンの育成: 各部署にCopilotの使い方に詳しい「チャンピオン」を配置し、周囲をサポートしてもらう
- 継続的な学習: 新機能が追加されるため、定期的に情報をキャッチアップする
- 成功事例の共有: 社内で効果的な活用例を共有し、組織全体の活用レベルを引き上げる
- KPIの設定: 時間削減、満足度、業務品質などの指標を設定し、効果を定量的に測定する
よくある質問(FAQ)
Microsoft 365 Copilotについて、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. Copilotは日本語に対応していますか?
はい、Microsoft 365 Copilotは日本語を含む40以上の言語に対応しています。日本語での指示に対して日本語で回答し、日本語の文書作成もサポートします。ただし、一部の機能では英語の方が精度が高い場合があります。
Q2. オフラインでもCopilotは使えますか?
いいえ、Microsoft 365 Copilotはクラウドベースのサービスのため、インターネット接続が必要です。オフライン環境では、Copilot機能を使用することができません。Officeアプリ自体はオフラインで使用できますが、Copilot機能は利用できなくなります。
Q3. 自分の会社のデータは学習に使われますか?
いいえ、あなたの組織のデータは、Microsoftの基盤モデルのトレーニングには使用されません。Copilotは、あなたの指示と、あなたがアクセス権限を持つデータのみを使用して回答を生成します。また、会話の内容も他のユーザーと共有されることはありません。
Q4. Copilotの回答は常に正確ですか?
いいえ、Copilotは非常に高度なAIですが、間違った情報を生成する可能性があります(ハルシネーション)。特に、専門的な内容や最新の情報については、必ず人間が確認・検証することが重要です。Copilotはアシスタントであり、最終的な判断は人間が行う必要があります。
Q5. 無料でCopilotを試すことはできますか?
はい、Microsoft 365 Copilotには30日間の無料トライアル期間があります。また、無料版のCopilot(copilot.microsoft.com)では、基本的なチャット機能を無料で利用できます。ただし、無料版ではWord、Excel、PowerPointなどのアプリ内機能は使用できません。
Q6. 複数のユーザーで同時にCopilotを使えますか?
はい、各ユーザーにCopilotライセンスが割り当てられていれば、組織内の複数のユーザーが同時にCopilotを使用できます。各ユーザーの作業は独立しており、他のユーザーの作業に影響を与えることはありません。
Q7. スマートフォンやタブレットでもCopilotは使えますか?
はい、Microsoft 365のモバイルアプリ(Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams)でもCopilot機能を利用できます。ただし、デバイスの画面サイズにより、一部の機能や操作性が制限される場合があります。
Q8. Copilotのプロンプトは英語で書いた方がいいですか?
いいえ、日本語で十分に正確な結果が得られます。むしろ、あなたが最も得意な言語で、明確に指示を出すことが重要です。英語で書くことにストレスを感じるのであれば、日本語で書くことをおすすめします。
Q9. Copilotを使うと、Officeアプリの起動が遅くなりますか?
Copilot機能は必要に応じて読み込まれるため、通常のOfficeアプリの起動速度にはほとんど影響しません。Copilotを使用していないときは、バックグラウンドでリソースを消費することもありません。
Q10. Copilotのライセンスは何人から購入できますか?
法人向けMicrosoft 365 Copilotは、1ライセンスから購入可能です。最低購入数の制限はありませんので、小規模な組織でも導入できます。ただし、効果を実感するには、少なくとも数名以上での活用が推奨されます。
今後のMicrosoft 365 Copilotの展望
Microsoft 365 Copilotは、継続的に進化しているツールです。
2025年以降、さらなる機能拡張が予定されており、AIとの協働がより深化していくことが期待されています。
予定されている新機能
Microsoftは、以下のような機能拡張を計画しています。
- より高度なカスタマイズ: Copilot Studioの機能が強化され、業界や企業特有のニーズに合わせたカスタマイズが容易になります
- マルチモーダル対応の強化: 画像、音声、動画などを組み合わせた、より豊かなコンテンツ生成が可能になります
- 自動化機能の拡充: Power Automateとの連携が強化され、より複雑な業務フローの自動化が実現します
- リアルタイム翻訳: Teams会議での多言語リアルタイム翻訳機能が向上します
- コラボレーション機能: 複数のユーザーが協力してCopilotを活用できる機能が追加されます
AIとの働き方の変化
今後、AIアシスタントとの協働は、ビジネスの標準的なスタイルになっていくと予想されます。
Microsoft 365 Copilotのような技術は、以下のような変化をもたらすでしょう。
- スキルの民主化: 専門的な知識がなくても、高度な分析や資料作成ができるようになります
- 創造性の重視: 定型的な作業はAIに任せ、人間はより創造的で戦略的な業務に集中できます
- 意思決定の高速化: データに基づいた迅速な意思決定が可能になります
- 働き方の柔軟化: 時間や場所にとらわれない、より柔軟な働き方が実現します
継続的な学習の重要性
Microsoft 365 Copilotは、定期的にアップデートされ、新機能が追加されます。そのため、以下のような姿勢で継続的に学習することが重要です。
- Microsoft公式ブログやドキュメントをフォローする
- 社内でCopilot活用のナレッジを共有する仕組みを作る
- 新機能のトライアルに積極的に参加する
- コミュニティやユーザーグループに参加して情報交換する
まとめ
Microsoft 365 Copilotは、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsなど、私たちが日常的に使用するOfficeアプリケーションに統合されたAIアシスタントです。
文書作成、データ分析、プレゼンテーション作成、メール処理、会議の議事録作成など、幅広い業務をサポートし、業務効率を大幅に向上させることができます。
デンソーや住友商事などの導入事例では、1人あたり月12時間の業務時間削減を実現しており、投資対効果も非常に高いツールであることが実証されています。料金は法人向けで月額4,497円(別途Microsoft 365ライセンスが必要)と、手頃な価格設定になっています。
ただし、Copilotは万能ではありません。生成された内容は必ず人間が確認・検証する必要があり、セキュリティやプライバシーへの配慮も重要です。また、効果的に活用するには、明確で具体的なプロンプトを作成するスキルを身につける必要があります。
これからの時代、AIとの協働は避けて通れないテーマです。Microsoft 365 Copilotは、その第一歩として最適なツールといえるでしょう。まずは無料トライアルで試してみて、あなたの業務にどのような変化をもたらすのか、ぜひ体験してみてください。
本記事でご紹介した活用事例や便利な使い方を参考に、あなた自身の業務スタイルに合った使い方を見つけ、生産性と創造性を最大限に高めていきましょう。AIの力を味方につけて、より価値の高い仕事に集中できる環境を作っていくことが、これからのビジネスパーソンに求められるスキルです。
Microsoft 365 Copilotとともに、新しい働き方の可能性を広げていってください。あなたのビジネスの成功を心から応援しています!
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