大阪・関西万博における個人情報の取り扱い:不安解消ガイド
2025年に開催される大阪・関西万博は、国内外から多くの注目を集める国際的なイベントです。
デジタル技術が社会に浸透する現代において、大規模なイベントにおける個人情報の取り扱いとその安全性は、参加を検討する人々にとって重要な関心事となっています。
特に、登録やデータ共有が必要となる場面では、自身の情報がどのように収集、利用、保護されるのかについて、不安を感じる方も少なくありません。
本稿では、大阪・関西万博に関連する個人情報の取り扱いについて、包括的かつ分かりやすく解説します。
万博IDの登録プロセスや必要な情報、公式プライバシーポリシーの詳細な分析、セキュリティ対策の現状、SNS連携による影響、メディア報道や社会問題の検証、そして注意すべき誤情報などを網羅的に取り上げます。
本稿を通じて、読者の皆様が安心して万博に参加するための情報を提供し、個人情報に関する不安を解消します。
万博IDとは?登録方法と必要な情報
万博IDは、大阪・関西万博が提供する様々なサービスを利用するために必要となる共通アカウントです。
チケットの購入、会場への入場予約、特定のパビリオンやイベントの予約、そしてマイページ機能の利用など、万博に関わる多くの手続きで中心的な役割を果たします。
万博IDがなければ、チケットの購入や事前の予約サービスを利用することができません。
万博IDの登録は、まず大阪・関西万博公式サイトまたはチケット情報サイトにアクセスすることから始まります。
通常、「登録」や「新規登録」といったボタンをクリックして手続きを開始します。
最初のステップとして、利用規約とプライバシーポリシーへの同意が求められます。
登録ページでは、利用規約を最後までスクロールし、「個人情報保護方針」のリンクを明示的にクリックして内容を確認した後でなければ、「同意する」のチェックボックスが有効にならない場合があるため注意が必要です。
規約への同意後、一時的な登録のためにメールアドレスの入力が求められます。
入力されたメールアドレス宛に、本登録用のURLが記載されたメールが送信されます。
このURLは、通常一定時間以内(例えば48時間以内)にクリックして、本登録の手続きに進む必要があります。
メール内のURLをクリックすると、プロフィールの入力画面が表示され、以下の情報の提供が求められます。
情報項目 | 必須/任意 | 説明 |
---|---|---|
万博ID (ユーザー名) | 必須 | 8〜20文字の英小文字、数字、記号(-. _ @)で作成する一意のユーザー名 |
パスワード | 必須 | 10〜20文字の英大文字・小文字、数字、記号を組み合わせた強力なパスワード(3種類以上を使用) |
言語設定 | 必須 | プラットフォームで使用する言語(日本語、英語など) |
氏名(漢字・カナ) | 必須 | 漢字(該当する場合)とカタカナでの氏名 |
電話番号(国番号付き) | 必須 | 連絡用の電話番号(日本の場合は+81) |
生年月日 | 必須 | ユーザーの生年月日 |
居住国・地域 | 必須 | 居住する国または地域。回答しないという選択肢あり |
都道府県(日本の場合) | 必須 | 居住国で「日本」を選択した場合のみ。回答しないという選択肢あり |
性別 | 任意 | ユーザーの性別 |
メール配信 | 任意 | 万博に関する最新情報やニュースレターの配信希望 |
表1:万博ID登録に必要な情報
これらの情報を入力し、内容を確認して登録を完了すると、登録確認メールが送信されます。
初回ログイン時には、本人確認の設定が求められます。これは、アカウントの不正利用を防ぐための重要なセキュリティ対策です。
本人確認の方法として、一般的に以下の3つが提供されています。
- メール認証(ワンタイムパスワード): 登録したメールアドレス宛に、ログインの都度6桁の使い捨てパスワードが送信されます。PCとスマートフォンの両方で利用可能です。パスワードの有効時間は通常短く設定されています(例:5分間)。
- 生体認証・パスコード認証: スマートフォンを利用している場合、端末に登録された生体情報(顔認証、指紋認証)や画面ロックのパスコードを利用して本人確認を行います。スマートフォンからのアクセスでは、最も迅速な方法の一つです。利用するには、事前に端末の設定で生体認証またはパスコードロックを有効にしておく必要があります。
- 認証アプリ: Google AuthenticatorやFree OTPなどの専用アプリを利用して、一定時間ごとに更新されるワンタイムパスワードを生成し、それを利用して本人確認を行います。複数の端末からアカウントにアクセスしたい場合に便利です。
15歳以下の利用者は、自身で万博IDを登録することはできません。16歳以上の保護者が自身の万博IDから「代理登録」機能を利用して登録する必要があります。
代理登録された子供は万博IDとパスワードでログインできますが、デジタルチケットの購入など一部機能が制限される場合があります。
代理登録を行った保護者が、子供の万博ID情報を管理することになります。
企業などから紙のチケットやチケットIDを受け取った場合でも、万博IDの登録と、受け取ったチケットIDを自身の万博IDに紐付ける作業が必要です。
この手続きは、公式サイトのチケット販売サイトに万博IDとパスワードでログインした後、チケットIDを入力して行います。
万博IDの登録自体は無料で、パスポートや運転免許証などの身分証明書の提出は求められません。
大阪・関西万博の万博ID登録方法について以下のリンクで詳しく書いています。もしよろしければご覧ください。
→万博IDの登録方法を徹底解説《万博IDの作成取得をわかりやすく説明!家族分の万博IDも必要!?》
大阪・関西万博の個人情報保護方針を読み解く
大阪・関西万博は、国内利用者、国際利用者、そして関係者(スタッフ、出展者、スポンサーなど)向けに、それぞれ異なるプライバシーポリシーを定めています。
この区分は、それぞれのグループに適用されるデータ保護規制や懸念事項に対応するためのものです。
自身がどのポリシーの対象となるのかを、居住地や万博との関係に基づいて理解することが重要です。
国内利用者向けプライバシーポリシー
万博を運営する公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(以下、当協会)は、国内利用者から収集する個人情報の種類をプライバシーポリシーで詳細に規定しています。これには広範なデータが含まれます。
- 基本情報: 氏名、ニックネーム、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、パスポート番号、国籍、居住国・地域など。
- 決済・支払い情報: チケットや商品の購入時にクレジットカード番号などの決済情報が含まれます。
- 位置情報: 公式アプリや関連サービスを通じて位置情報が収集される可能性があります。
- 生体情報: 顔画像、音声、指紋などが含まれますが、これは会場内の特定のサービス利用時に利用者が自発的に登録した場合に限られ、監視カメラの映像などから収集されることはありません。生体情報は、会場内の特定のサービスへのアクセスや本人確認に利用される可能性があります。
- 所属先情報: 勤務先や所属団体に関する情報(会社名、部署名、役職など)は、特定の参加やアクセスに関連して収集されることがあります。
- 医療情報: 障害の有無に関する情報が、専用駐車場への案内などの目的で収集されます。
- SNS情報: LINE、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、Googleなどのアカウント情報(ユーザー名やプロフィールなど)が含まれます。これは、利用者が個別に万博IDとの連携を許可した場合にのみ収集され、ログインなどの機能に利用されます。重要な点として、当協会は利用者のSNSパスワードを取得しないと明記しています。
- 入力情報: 言語設定、メール配信設定、その他オンラインフォームやExpoアプリを通じて利用者が入力または送信した情報が含まれます。
- 端末情報: デバイスの種類、OS、デバイス識別子、IPアドレス、ブラウザの種類と情報、リファラー情報、Cookie ID、閲覧履歴、購入履歴、広告識別子など、利用者の端末から自動的に収集される情報が含まれます。これらの情報は、主に分析やユーザーエクスペリエンスの向上に利用されます。
収集された個人情報は、以下を含む様々な目的で使用されます。
- 本人認証・識別: 万博IDへのログイン時やExpoサービスの利用時に、利用者の本人性を確認するため。
- サービスの提供: チケットや商品の販売、イベント参加の管理、その他Expoに関連するサービスを提供するため。
- ボランティア応募選考・登録: ボランティアへの応募があった場合、選考と登録手続きのために利用するため。
- サービスに関するフィードバックの依頼: Expoのサービス向上を目的として、利用者からの意見や感想を求めるため。
- プロモーション、マーケティング、広告: Expoおよびその関連会社に関する情報提供、マーケティング活動、広告配信(利用者の閲覧履歴や購入履歴に基づいてパーソナライズされた広告を含む)のため。
- サービス利用状況の調査・分析: サービスの利用状況を調査・分析し、サービスの維持、保護、改善を図るため。
- 予約情報の登録・イベントの円滑な運営: イベントや予約制パビリオンへの参加をスムーズかつ安全に管理するため。
- お問い合わせへの対応: 利用者からの質問や問い合わせに対応するため。
- 利用規約違反への対応: Expoの利用規約に違反する行為を行った利用者に対して適切な措置を講じるため。
- 利用規約変更等の通知: 利用規約の変更やその他の重要な告知を利用者に通知するため。
- システム障害・事故への対応: システムの障害や不具合、事故などが発生した場合に、その防止と対応を行うため。
- 第三者への個人情報の提供: 「2. 個人情報の第三者への提供」に記載された条件に基づいて、個人情報を第三者に提供するため。
- 提携先からの情報利用: 本プライバシーポリシーへの同意に基づき、提携先から取得した個人関連情報または個人情報を、既存の利用者の個人情報と関連付けて、上記の目的のために利用するため。
プライバシーポリシーでは、当協会が第三者に個人情報を提供する条件も具体的に示されています。
原則として、利用者の事前の同意が必要です。ただし、法令に基づく場合や、業務委託、事業承継、生命・身体・財産の保護、公衆衛生の向上、児童の健全な育成、国の機関等への協力、学術研究機関への提供など、法律で認められた例外的な場合には、同意なしに提供されることがあります。
利用者の同意に基づいて、政府機関、博覧会国際事務局(BIE)、Expoスポンサー、パビリオン出展者、SNS事業者、広告会社、データ分析プロバイダーなどの第三者と情報が共有されることもあります。
外国にある第三者への個人情報の提供については、原則として利用者の事前の同意なしに行われることはありません。
ただし、上記と同様の法令に基づく例外や、個人情報保護委員会の規則により日本と同等の水準にあると認められる国の第三者への提供、適切な措置を継続的に講じている第三者への提供、国際的な枠組みに基づく認証を取得している第三者への提供などの場合には、同意なしに提供されることがあります
当協会は、個人情報の安全管理に強くコミットしており、正確かつ安全な管理を行い、紛失、改ざん、漏洩などを防止するために必要な措置を講じると述べています。これには、従業員および委託先に対する必要かつ適切な監督も含まれます。
プライバシーポリシーでは、利用者の個人情報に関する権利も詳細に規定されています。これには、以下の権利が含まれます。
- 開示: 自身の個人情報へのアクセス(写しを含む)を求める権利。
- 訂正・追加: 不正確な情報や不完全な情報を訂正または追加する権利。
- 削除・消去: 特定の条件下で自身の個人情報の削除を求める権利(いわゆる「忘れられる権利」)。
- 利用停止・処理の制限: 特定の状況下で自身の個人情報の利用または処理を制限する権利。
- 第三者への提供の停止: 自身の個人情報の第三者への提供を停止するよう求める権利。
- 第三者提供記録の開示: 自身の個人情報が第三者に提供された記録の開示を求める権利。
また、個人情報の処理が同意に基づいて行われている場合、利用者はいつでもその同意を撤回する権利を有します。
これらの権利を行使するための手続きは、通常、指定された問い合わせ窓口に連絡することによって行われます。
当協会は、利用者の個人情報を、明示された利用目的の達成に必要な期間、法的義務の履行に必要な期間、または契約上の必要性に基づいて保持します。保持期間は、利用者との継続的な関係、法的保管義務、契約履行の必要性などの要因に基づいて決定されます。
国際利用者向けプライバシーポリシー
日本国外に居住する利用者(欧州経済領域(EEA)、英国、中国、米国カリフォルニア州を含む)向けには、別途プライバシーポリシーが用意されています。
このポリシーは、GDPR、UK GDPR、PIPL、CCPAなどの国際的なデータ保護法に準拠しており、収集される個人情報の種類と利用目的は国内利用者向けと概ね同様ですが、これらの国際規制の下での個人情報処理の法的根拠(同意、契約履行、正当な利益など)が詳細に規定されています。
また、これらの法律に基づく国際利用者の権利(データポータビリティの権利や処理への異議申し立ての権利などを含む)に関する情報も提供されています。
問い合わせ先や、EUおよび英国における当協会の代表者の連絡先も記載されています。
関係者向けプライバシーポリシー
パビリオン出展者、スポンサー、公式・非公式参加者(一般来場者およびボランティアを除く)など、Expoに関わる役員、従業員、その他の関係者向けにも、専用のプライバシーポリシーが存在します。
このポリシーは、基本情報に加えて、職務経歴、家族情報、給与情報、内部コミュニケーション記録など、彼らの役割とExpoの運営に関連するより広範な個人情報を対象としています。
利用目的も、管理手続き、人事管理、法令遵守など、彼らのExpoへの関与の文脈に合わせて調整されています。
すべてのプライバシーポリシーにおいて、日本語版が正文であり、他の言語への翻訳版との間に齟齬がある場合は、日本語版が優先されることが明記されています。
個人情報またはプライバシーポリシーに関する問い合わせのために、Expo協会は専用の問い合わせ先を提供しています。
通常、公式サイトまたはプライバシーポリシー文書内に問い合わせフォームやメールアドレスが記載されています。
プライバシーポリシーは、規制の変更やExpoのデータ処理慣行の変更などを反映するために、必要に応じて更新および改訂されることがあります。
ポリシーの変更は公式サイトに掲載されるため、利用者は定期的に確認し、最新情報を把握することが推奨されます。
SNS連携と個人情報
万博IDの登録およびログインプロセスを簡略化するために、LINE、X(Twitter)、Facebook、Instagram、Googleなどの外部ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)アカウントと連携するオプションが提供されています。
この機能を利用すると、既存のSNSアカウントの認証情報を使用してExpoサービスにアクセスできるため、新しいログイン情報をわざわざ作成して記憶する必要がなくなります。
万博IDとSNSアカウントを連携することを選択した場合、Expoプラットフォームは連携されたSNSから特定の情報を受け取る可能性があります。
共有される情報は通常限定的で、主に認証と基本的なユーザー識別のために使用されます。一般的に含まれるのは以下の情報です。
- SNSアカウント情報: 通常、SNSアカウントに関連付けられたメールアドレスと、SNSプロフィールに表示される氏名が含まれます。受け取る情報の詳細は、連携する特定のSNSプラットフォームによって若干異なる場合があります。
- SNS認証結果: これは、ユーザーが連携されたSNSアカウントで正常に認証されたことを確認し、Expoプラットフォームが上記の限定的な情報にアクセスする許可を与えるものです。
重要な点として、アカウントを連携しても、Expo協会がユーザーのSNSパスワードにアクセスすることはありません。
認証プロセスは、OAuthなどのプロトコルを使用してSNSプラットフォーム自体によって安全に処理されます。これにより、ユーザーのパスワードを共有することなく、あるサービスが別のサービスから特定の情報にアクセスできるようになります。
これは、様々なオンラインプラットフォーム間でのアカウント連携において一般的かつ安全な慣行です。
既存の万博IDをSNSアカウントに連携するだけでなく、SNSアカウントを最初の登録方法として選択することもできます。
この場合、Expoプラットフォームは、選択されたSNSアカウントから必要な基本情報(氏名やメールアドレスなど)を取得して新しい万博IDを作成するため、サインアッププロセスがさらに簡素化されます。
当初、ExpoがユーザーのSNSパスワードへのアクセスを求めているのではないかというメディア報道がありました。
SNSパスワードは非常に機密性が高く、第三者のサービスと共有すべきではないため、これは当然の社会問題を引き起こしました。しかし、Expo協会は、これらの懸念は誤解に基づいていると説明しました。
意図は、ユーザーにSNSアカウントをログインの利便性のために使用してもらうことであり、ユーザーのソーシャルメディアプロフィールに不正にアクセスしたり、同意なしに広告目的で使用したりすることではありません。
プライバシーポリシーの初期の草案でSNSパスワードが言及されていたのは、SNSログインの技術的な可能性を示唆するためであり、その文言が誤解された可能性があります。
協会はその後、SNSパスワードを収集または保存しないことを強調しています。
個人情報保護のためのセキュリティ対策
大阪・関西万博協会は、利用者から収集したすべての個人情報のセキュリティと保護を確保するために、強いコミットメントを表明しています。
不正アクセス、紛失、悪用、改ざん、または破壊から個人データを保護するために、様々なセキュリティ対策が実施されています。
Expoが期間限定の国際的な大規模イベントであることを考慮し、協会は情報セキュリティに対してゼロトラストのアプローチを採用しています。
この現代的なセキュリティ戦略は、脅威が従来のネットワーク境界の内外両方から発生する可能性があると想定しています。
したがって、場所に関係なく、リソースにアクセスしようとするすべての人とデバイスに対して厳格なID検証を重視しています。
これは、ファイアウォールのような境界防御のみに依存する従来の方法からの転換を示しています。
Expoのサイバーセキュリティ対策を監督および管理するために、Expo協会内に専門のサイバーセキュリティ課が設置されています。これは、このような大規模イベントに関連する複雑なセキュリティ課題に対処するための組織的なコミットメントを示しています。
専門知識の必要性を認識し、Expo協会は情報セキュリティ運用設計・管理業務を外部の事業者に委託しています。
約19億2200万円(税込)という多額の予算がこの目的のために割り当てられており、サイバーセキュリティに重点が置かれていることがわかります。
この受託事業者は、Expoの基本計画とサイバーセキュリティフレームワークに基づいて、効果的なセキュリティ対策を設計および実装する責任を負っています。
潜在的なリスクを積極的に管理するために、Expo協会は、Expoの準備と運営に影響を与える可能性のある重要なサービスプロバイダーを含む、関係者間でリスク管理の実践を推進しています。これには、潜在的なサイバーセキュリティリスクの評価と適切な対策の実施が含まれます。
サイバー脅威とセキュリティインシデントに関する情報を関係者間で共有するために、「サイバーセキュリティ対処調整センター」が設立されています。
このセンターは、発生する可能性のあるセキュリティインシデントに対する迅速かつ協調的な対応を確保する上で重要な役割を果たします。
協会はまた、サイバーセキュリティ対策に従事する担当者のスキルを向上させるために、演習や訓練を実施しています。
多要素認証(MFA)の導入は、サイバーセキュリティを強化するための重要なベストプラクティスと見なされています。
MFAでは、アカウントへのアクセスを得るために2つ以上の検証要素をユーザーに要求することで、1つの要素(パスワードなど)が侵害された場合でも、不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。
万博IDでは、様々な方法(メールOTP、生体認証、認証アプリ)を通じてMFAが提供されています。
ネットワークセキュリティの強化も不可欠です。これには、ファイアウォールを定期的に見直し、必要に応じてアップグレードすることや、ネットワークトラフィックを保護するためにVPNゲートウェイを実装することが含まれます。
Expoがクラウドテクノロジーに依存していることを考慮すると、クラウドベースのセキュリティソリューションの導入も検討されています。
潜在的なセキュリティインシデントへの備えは、Expoのセキュリティ戦略の重要な側面です。これには、明確なインシデント対応計画の策定と、不審な活動を認識して報告する方法について従業員をトレーニングすることが含まれます。
Expo協会は、ソーシャルメディアのなりすましとフィッシング詐欺の問題に対処するための措置も講じています。
利益や補助金を約束することでユーザーを悪意のあるウェブサイトに誘導し、個人情報を盗もうとする偽のソーシャルメディアアカウントが多数出現しています。
協会は、公式サイトやソーシャルメディアを通じて公的に警告を発し、注意を払い、公式アカウント(例:Xの「@expo2025_japan」と「@expo2025japan」)のみを信頼するよう促しています。また、これらの偽アカウントの削除と停止をソーシャルメディアプラットフォームに要請しています。
Expoに関連する偽ニュースや誤情報についてソーシャルメディアを監視することも、重要なセキュリティ対策と見なされています。これは、Expoの評判を損なう可能性のある、または個人データの取り扱いに関する誤情報を含む、虚偽または誤解を招く情報を特定して対処するのに役立ちます。
大阪パビリオンなどの個々のパビリオンも、独自のプライバシーポリシーを持ち、展示やサービスとのインタラクションを通じて訪問者から収集する個人情報を保護するためのセキュリティ対策を実施しています。
これらの対策には、個人情報保護フレームワークの確立、セキュリティ管理プロトコルの実装、およびデータ処理慣行に関するスタッフへのトレーニングの提供が含まれます。
個人情報に関する不安と報道の検証
当初、万博ID登録で要求される個人情報の範囲の広さと、その利用目的の曖昧さに関して、社会的関心と批判がありました。
SNSパスワードや生体データのような機密情報の収集に関する懸念も提起されました。
メディア報道や議論では、第三者へのデータ提供、特に外国政府への提供に関する懸念が強調されました。
Expo協会はこれらの社会的懸念に対応し、誤解があったことを認め、より明確にするためにプライバシーポリシーの改訂を検討すると発表しました。
ウズベキスタンパビリオンでは、誤って他人の個人情報を含むQRコードが大量に送信されるというインシデントが発生し、大規模システムにおける技術的なエラーのリスクが浮き彫りになりました。
電子チケットシステムと潜在的な第三者へのデータ共有に関して、国会で質問が提起されました。
大阪府の「府民の声」などのプラットフォームを通じて、 フィードバックや懸念が寄せられています。
注意すべきデマ情報
Expoが広告目的でSNSパスワードを要求しているという当初の誤情報については、実際にはログインのための利用であることが明確にされました。
個人データとExpoに関連する噂や陰謀論(竹中氏に関するものなど)についても言及し、反論がなされています 。
Expoに関する情報については公式の情報源に依拠し、ソーシャルメディア上の未確認情報には注意することが重要です。
Expo協会は、偽アカウント対策と正確な情報の普及に努めています。
安全に万博を楽しむためのヒント
万博をより安全に楽しむために、以下の点に注意しましょう。
- Expoおよび利用するサービスの公式プライバシーポリシーを注意深く確認してください。
大阪・関西万博では、国内利用者、国際利用者、関係者向けにそれぞれ異なるプライバシーポリシーが用意されています。ご自身に該当するポリシーを確認し、個人情報の取り扱いについて理解しておきましょう。 - 万博IDやその他のオンラインアカウントには、強力でユニークなパスワードを使用してください。
万博IDのパスワードは、10〜20文字の英大文字・小文字、数字、記号を組み合わせた、推測されにくいものに設定しましょう。他のサービスで使用しているパスワードの使い回しは避けましょう。 - 万博IDの認証情報を他者と共有しないでください。
万博IDやパスワードなどのログイン情報は、ご自身で厳重に管理し、第三者に教えたり、共有したりしないようにしましょう。 - Expoを装ったフィッシング詐欺や偽のウェブサイト、ソーシャルメディアアカウントに注意してください。
Expo協会を装い、個人情報を騙し取ろうとする詐欺の手口が報告されています。不審なメールやSMS、SNSの投稿には注意し、安易にリンクをクリックしたり、個人情報を入力したりしないようにしましょう。公式情報は、万博の公式サイト(https://www.expo2025.or.jp/)や公式SNSアカウント(例:Xの「@expo2025_japan」と「@expo2025japan」)で確認するようにしてください。 - 万博IDで利用可能な場合は、多要素認証を有効にしてください。
万博IDでは、メール認証(ワンタイムパスワード)、生体認証・パスコード認証、認証アプリなど、複数の本人確認方法が用意されています。可能な限り多要素認証を設定し、セキュリティを強化しましょう。 - SNSアカウントを連携する際には、許可するアクセス権限を確認してください。
万博IDとSNSアカウントを連携する際は、Expo側がどのような情報にアクセスする許可を求めているかを確認しましょう。Expo協会はSNSのパスワードを収集しないと明言しています。 - Expo訪問に関連してソーシャルメディアで共有する情報には注意してください。
個人情報やプライベートな情報を公に共有することは避け、投稿する内容には十分注意しましょう。 - 不審な活動や懸念事項は、公式のExpo窓口に報告してください。
もし不審なメールやウェブサイト、SNSアカウントを発見した場合や、個人情報の取り扱いに関して懸念がある場合は、万博の公式問い合わせ窓口に連絡しましょう。 - デバイスを最新のセキュリティパッチで常に更新してください。
スマートフォンやパソコンなどのデバイスは、常に最新のOSやセキュリティパッチを適用し、セキュリティ対策を最新の状態に保ちましょう。 - 自身の個人情報に関する権利と、その行使方法を理解しておきましょう。
プライバシーポリシーには、個人情報の開示、訂正、削除、利用停止などを求める権利について記載されています。これらの権利を行使する方法についても確認しておきましょう。
困ったときの問い合わせ先
- 万博IDに関するお問い合わせ: 万博IDに関するご質問や不明な点については、以下のフォームからお問い合わせください。
【お問い合わせフォーム】https://forms.office.com/r/7TnRDqJbkK - 個人情報に関するお問い合わせ: 個人情報の取り扱いに関するご質問や、プライバシーポリシーに関するお問い合わせは、以下のフォームからご連絡ください。
【お問い合わせフォーム】https://forms.office.com/r/njgjKqLhDV - 万博来場サポートデスク: チケットの購入方法や来場日時予約、パビリオン入場予約など、万博への来場に関する手続きでお困りの場合は、万博来場サポートデスクをご利用ください。
詳細は、大阪府・大阪市の公式サイトをご確認ください。
→大阪市公式万博来場サポートデスク紹介ページ - 大阪・関西万博 総合コンタクトセンター: 万博全般に関するお問い合わせは、総合コンタクトセンターにご連絡ください。
→大阪・関西万博公式総合コンタクトセンターページ
まとめ
大阪・関西万博の主催者は、個人情報の保護に真摯に取り組んでいます。
データ収集、利用、セキュリティ、そして利用者の権利に関して、詳細なプライバシーポリシーが定められています。
当初、社会的懸念もありましたが、協会はそれらに対応し、より安全で信頼できる環境を提供しようとしています。
万博を安全に楽しむためには、利用者が公式情報を確認し、自身で情報保護の対策を講じることも重要です。
公式チャンネルからの情報を常に確認し、安心して万博をお楽しみください。
大阪・関西万博の見どころや楽しみ方について以下のリンクで詳しく書いています。
もしよろしければご覧ください。
→大阪・関西万博には何がある?パビリオンやグルメの見どころ楽しみ方を徹底ガイド
大阪・関西万博会場へのアクセス方法について以下のリンクで詳しく書いています。
もしよろしければご覧ください。
→大阪・関西万博会場へのアクセス方法完全ガイド2025
以下のリンクで大阪・関西万博のチケットについてまとめた記事を書いています。
もしよろしければご覧ください。
→大阪・関西万博チケット徹底ガイド!料金・購入方法・注意点まとめ
以下のリンクで大阪・関西万博のメタンガスについてまとめた記事を書いています。
もしよろしければご覧ください。
→大阪・関西万博のメタンガス爆発事故、安全性は大丈夫?徹底解説!
以下のリンクで大阪・関西万博の問題点、評判についてまとめた記事を書いています。
もしよろしければご覧ください。
→大阪・関西万博の問題点、評判を徹底解説《間に合わなくて中止になるの?本当にやばくて失敗するの?》
大阪・関西万博のガンダムパビリオンについて以下のリンクで詳しく書いています。
もしよろしければご覧ください。
→大阪・関西万博ガンダムパビリオン完全ガイド2025
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