Copilot学習させる方法を完全解説!社内データ活用で業務効率を劇的に向上させる実践ガイド

「Copilotをもっと自社の業務に最適化できないだろうか?」
「社内データを学習させて、より精度の高い回答を得たい」
「Microsoft 365 Copilotの導入を検討しているけど、学習方法がよく分からない」
このような疑問や課題をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
Microsoft Copilotは、標準機能だけでも十分便利なAIアシスタントですが、自社データを学習させることで、その能力は飛躍的に向上します。
実際、Copilotに社内データを学習させた企業では、問い合わせ対応時間が50%削減されたり、資料作成時間が70%短縮されたりといった成果が報告されています。
本記事では、Copilotに自社データを学習させる3つの方法(プロンプトエンジニアリング・RAG・ファインチューニング)を、それぞれのメリット・デメリットとともに詳しく解説します。
さらに、最新のCopilot Tuning機能や料金体系、セキュリティ対策まで網羅的にご紹介します。
この記事を読み終えるころには、あなたの組織に最適なCopilot学習方法が明確になり、AI活用による業務効率化の具体的なステップが見えてくるでしょう。
それでは、Copilotの可能性を最大限に引き出す方法を一緒に学んでいきましょう!
- 1. Microsoft Copilotとは?基本を理解しよう
- 2. Copilot学習させる重要性とメリット
- 3. Copilot学習させる3つの方法を徹底解説
- 4. Microsoft 365 Copilot Tuning(新機能)
- 5. Copilotの学習データはどこから取得される?
- 6. Copilot学習データのセキュリティとプライバシー
- 7. Copilot学習データの管理と最適化
- 8. Microsoft 365 Copilotの料金体系
- 9. Copilot学習データに関するよくある質問(FAQ)
- 9.1. Q1: Copilotは私の入力したプロンプトを学習に使用しますか?
- 9.2. Q2: Copilotが参照できるデータの範囲はどこまでですか?
- 9.3. Q3: 古いデータもCopilotは参照しますか?いつまでのデータが対象ですか?
- 9.4. Q4: 個人のOneDriveのデータもCopilotは学習しますか?
- 9.5. Q5: Copilotの回答が間違っていた場合、どうすればいいですか?
- 9.6. Q6: 特定のファイルやフォルダをCopilotの参照対象から除外できますか?
- 9.7. Q7: Copilotを複数の言語で使用できますか?
- 9.8. Q8: Copilotの回答はどの程度信頼できますか?
- 9.9. Q9: Copilotの利用状況を管理者が監視できますか?
- 9.10. Q10: Copilotは小規模企業でも導入すべきですか?
- 9.11. Q11: Copilotはインターネットに接続できない環境でも使えますか?
- 9.12. Q12: Copilotの回答を社外に共有しても問題ありませんか?
- 9.13. Q13: Copilotのアップデートはどのくらいの頻度で行われますか?
- 9.14. Q14: Copilotのデータ処理はどこで行われますか?日本国内で完結しますか?
- 9.15. Q15: Copilotを使うと、従業員のスキルが低下しませんか?
- 10. まとめ:Copilotを「自分専用」に育てて、業務効率を最大化しよう
Microsoft Copilotとは?基本を理解しよう
この章のポイント:Copilotは、Microsoftが提供する生成AIアシスタントです。Word、Excel、PowerPoint、Teams、Outlookなど、普段使用しているMicrosoft 365アプリに統合され、文章作成、データ分析、資料作成などの業務を効率化してくれる「副操縦士」のような存在です。
Microsoft Copilotは、Microsoftが提供する生成AIアシスタントであり、OpenAI社が開発した大規模言語モデル(GPT-5)を基盤としています。
ユーザーが自然言語で指示を出すだけで、AIが文章生成やデータ分析、プレゼンテーション資料の作成などを支援してくれます。
Copilotという名称は「副操縦士」を意味しており、ユーザーの業務を支援し、生産性を向上させることを目的としています。
従来の手作業と比べて、時間と労力を大幅に削減できるため、多くの企業が導入を進めています。
Copilotの主な種類
Copilotには、利用シーンに応じていくつかの種類が存在します。それぞれの特徴を理解しておくことで、自社に最適なCopilotを選択できます。
| 種類 | 対象ユーザー | 特徴 | 料金 |
|---|---|---|---|
| Microsoft Copilot(無料版) | 個人ユーザー | Web検索ベースの回答生成、画像生成機能 | 無料 |
| Copilot Pro | 個人ユーザー | 最新モデル優先アクセス、Office連携 | 月額3,200円 |
| Microsoft 365 Copilot | 法人ユーザー | 社内データ活用、商用データ保護、高度な機能 | 月額4,497円(+Microsoft 365ライセンス) |
| Copilot Studio | 開発者・法人 | カスタムエージェント作成、業務プロセス自動化 | 従量課金制 |
Microsoft 365 Copilotの主な機能
Microsoft 365 Copilotは、以下のようなアプリケーションと連携して、業務効率化を実現します。
- Word(Copilot in Word):文章の自動生成、要約、編集、文体の調整など
- Excel(Copilot in Excel):データ分析、グラフ作成、複雑な数式の自動生成など
- PowerPoint(Copilot in PowerPoint):プレゼンテーション資料の作成、デザイン提案など
- Outlook(Copilot in Outlook):メール作成支援、受信トレイの整理、スケジュール管理など
- Teams(Copilot in Teams):会議の議事録作成、要約、未解決の質問の抽出など
- Copilot Chat:組織内のデータを横断的に検索し、質問に回答
Copilot学習させる重要性とメリット
この章のポイント:Copilotに自社データを学習させることで、より精度の高い回答が得られ、業務効率が大幅に向上します。個々の企業やユーザーに合わせたパーソナライズされたサポートが可能になります。
標準のCopilotは、インターネット上の公開情報や基本的な学習データをもとに動作しますが、企業独自の業務フローや専門用語、社内ルールなどには対応できません。
そこで重要になるのが「Copilotへのデータ学習」です。
データ学習がもたらす具体的なメリット
1. 回答精度の飛躍的な向上
自社のデータやナレッジを学習させることで、企業固有の質問に対して、より正確で実用的な回答を提供できるようになります。
例えば、社内の業務マニュアルや過去の事例データを学習させることで、新入社員からの問い合わせに対して即座に適切な回答を返すことが可能です。
2. 業務効率の大幅な向上
データ学習により、Copilotはユーザーの業務パターンを理解し、最適な提案やサポートを提供できるようになります。
実際の導入事例では、資料作成時間が70%削減されたり、問い合わせ対応時間が50%短縮されたりといった成果が報告されています。
3. パーソナライズされたサポート
学習データの蓄積により、Copilotは個々のユーザーの業務スタイルや頻繁に使用する機能を理解し、よりパーソナライズされたサポートを提供できるようになります。
使えば使うほど精度が高まり、長期的な価値を生み出します。
4. 専門分野への対応力強化
特定の業界や専門分野に関するデータを学習させることで、医療、法律、金融などの専門的な知識を必要とする業務にも対応できるようになります。
これにより、専門家の作業負担を軽減し、より高度な業務に集中できる環境が整います。
5. 常に最新の情報に基づく回答
特にRAG(後述)を活用することで、Copilotは常に最新のデータにアクセスし、リアルタイムで更新された情報に基づいた回答を提供できます。
これにより、古い情報による誤った判断を防ぐことができます。
データ学習によるAIパフォーマンスへの影響
データ学習は、AIのパフォーマンスに直接的な影響を与えます。
学習データの質と量が高ければ高いほど、AIはより正確で信頼性のある予測や提案を行うことができます。
逆に、データが不十分だったり偏りがあったりすると、AIの判断が誤った方向に進むリスクが高まります。
したがって、適切なデータ収集と質の管理が、Copilot活用成功の鍵となります。
Copilot学習させる3つの方法を徹底解説
この章のポイント:Copilotに自社データを学習させる方法には、「プロンプトエンジニアリング」「RAG」「ファインチューニング」の3つがあります。それぞれに特徴があり、用途や目的に応じて最適な方法を選択することが重要です。
Copilotに自社データを学習させる代表的な方法として、以下の3つが挙げられます。
それぞれの特徴、メリット・デメリットを理解し、自社の目的に合った方法を選択しましょう。
| 方法 | 難易度 | コスト | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| プロンプトエンジニアリング | 低 | 低 | 小規模データ、簡単な業務支援 |
| RAG(検索拡張生成) | 中 | 中 | 膨大なデータからの検索・抽出 |
| ファインチューニング | 高 | 高 | 特定業界・タスクへの特化 |
方法①:プロンプトエンジニアリング
プロンプトエンジニアリングとは
プロンプトエンジニアリングとは、Copilotに入力する質問や指示の内容を工夫することで、適切な回答を引き出す方法です。
ユーザーがCopilotに質問や指示を出す際に、自社データをテキストで入力したり、CSV、PDFファイル、URLなどを添付したりすることで、そのデータを参照した回答を得ることができます。
プロンプトエンジニアリングのメリット
- 非エンジニアでも実装可能:専門的なエンジニアリング知識やスキルが不要で、誰でも比較的簡単に実行できます
- コストが低い:Copilotへの入力内容を変更するだけなので、追加料金がかかりません
- 即座に実行可能:すぐに試すことができ、結果を確認しながら調整できます
プロンプトエンジニアリングのデメリット
- プロンプトスキルが必要:適切な回答を得るためには、質問や指示の設計、記述フォーマットなどのスキルが必要です
- 学習データ量の制限:入力できるデータ量に限りがあるため、膨大な社内データを学習させることには向いていません
- 再現性に課題:毎回同じ質問をしても、回答が微妙に異なる場合があります
プロンプトエンジニアリングが適している場面
- 少量のデータをもとに回答を得たい場合
- すぐに試してみたい場合
- 予算が限られている場合
- 特定のファイルをもとにした資料作成や要約が必要な場合
方法②:RAG(検索拡張生成)
RAGとは
RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)とは、Copilotが質問に回答する際に、Copilotのデータベースに加え、膨大な自社のデータベースから情報を検索し、その情報に基づいて回答を生成する手法です。
AIに図書館を与えるイメージと考えると分かりやすいでしょう。
AIは質問を受けると、まず図書館(データベース)から関連する本(情報)を探し出し、その内容をもとに回答を作成します。
本そのものを暗記するのではなく、必要なときに図書館から情報を取り出して使うのがRAGの特徴です。
RAGのメリット
- 膨大なデータ量に対応:プロンプトエンジニアリングと異なり、膨大な量のデータを活用できます
- 最新データに基づく回答:CopilotとデータベースがLinkしているため、常に最新のデータを活用した回答が可能です
- 情報源の明確化:回答の根拠となった情報源を提示できるため、信頼性が高まります
- 柔軟性の高さ:AIモデル自体を変更せずに、データベースを更新するだけで新しい情報に対応できます
RAGのデメリット
- 導入ハードルが高い:設計と実装に高度なエンジニアリング知識やスキルを有する人材が必要です
- 回答時間が長い:膨大なデータを検索するため、回答までに時間を要する傾向があります
- データベースの質に依存:データベースの内容が不正確だと、回答の質も低下します
- 実装の複雑さ:検索システムとAIモデルの統合には技術的な工夫が必要です
RAGが適している場面
- 社内のノウハウや顧客データの抽出など、膨大なデータから検索・抽出する業務
- FAQボットやヘルプデスクなど、最新情報に基づく回答が求められる場合
- 複数の資料を横断的に検索し、関連情報を統合して回答する必要がある場合
- データが頻繁に更新される業務(製品情報、規制情報など)
方法③:ファインチューニング
ファインチューニングとは
ファインチューニングとは、Copilotの提供するAIモデルに自社データを学習させることで、モデル自体を自社専用のものにアップデートする手法です。
これにより、自社の業界や事業領域、特定のタスクに対して精度高く活用可能な専用Copilotを構築できます。
AIに特定の本を丸暗記させ、その知識をもとに回答させる仕組みと例えられます。
法律に関するデータをAIに学習させることで、AIは法律に関する質問に的確に答えられるようになります。
ファインチューニングのメリット
- 業界・タスクに特化可能:モデル自体をアップデートするため、特定の業界や業務に特化した高精度の回答が得られます
- 高度な専門性:医療、法律、金融など、専門知識が必要な分野で威力を発揮します
- 一貫性のある回答:企業の文化や方針に沿った、一貫性のある回答スタイルを実現できます
- レスポンス速度:RAGよりも高速に回答を生成できる場合があります
ファインチューニングのデメリット
- 導入ハードルが最も高い:設計と実装に高度なエンジニアリング知識やスキルを有する人材が必要です
- コストが高い:モデルの学習には膨大なデータが必要で、APIに対する従量課金での支払いが発生します
- 時間がかかる:データ収集、前処理、学習、評価のプロセスに数週間から数か月かかることがあります
- 汎用性の低下:特定分野に特化すると、他の分野への応用が難しくなる可能性があります
- 更新の手間:データを更新する際に、再度学習プロセスが必要になります
ファインチューニングが適している場面
- AIモデル自体を自社の業界や特定の業務に特化させたい場合
- 医療、法律、金融など、高度な専門知識が必要な業務
- 企業固有の文章スタイルや用語を徹底させたい場合
- カスタマーサポートで一貫性のある高品質な対応が求められる場合
RAGとファインチューニングの違いを比較
| 比較項目 | RAG | ファインチューニング |
|---|---|---|
| アプローチ | 外部データベースから情報を検索して回答生成 | AIモデル自体を再学習して最適化 |
| データの扱い | AIがデータを学習しない | AIがデータを学習する |
| 更新の容易さ | データベース更新のみで対応可能 | 再学習が必要 |
| 専門性 | 幅広いトピックに対応 | 特定分野に高度に特化 |
| 回答速度 | 検索時間が必要で比較的遅い | 比較的高速 |
| コスト | 中程度 | 高い |
| 実装難易度 | 中程度 | 高い |
| 適した用途 | 最新情報が必要な業務、社内FAQ | 専門知識が必要な業務、一貫性重視 |
自社に最適な学習方法の選び方
自社の活用目的や内容によって、最適な学習方法は異なります。以下のフローチャートを参考に、自社に適した方法を選択しましょう。
選択のポイント
- まずは試したい、予算が限られている:プロンプトエンジニアリング
- 膨大なデータから検索・抽出したい、最新情報が重要:RAG
- 特定業界に特化させたい、高度な専門性が必要:ファインチューニング
- 両方のメリットを活かしたい:RAGとファインチューニングの組み合わせ
Microsoft 365 Copilot Tuning(新機能)
この章のポイント:2025年5月に発表されたCopilot Tuningは、ローコードでファインチューニングを実現する画期的な機能です。専門知識がなくても、企業データを活用したAIエージェントを簡単に構築できます。
Copilot Tuningとは
Microsoft 365 Copilot Tuningは、Microsoft Copilot Studio上で動作する、企業データを使ってAIモデルをファインチューニングし、業務に特化したAIエージェントを簡単に構築できる低コード型のサービスです。
2025年5月に発表されたこの機能により、従来は高度なエンジニアリングスキルが必要だったファインチューニングが、誰でも簡単に実現できるようになりました。
Copilot Tuningの主な特徴
- ローコード開発:プログラミングの専門知識がなくても、直感的な操作でAIエージェントを構築できます
- 企業データの活用:社内の文書、マニュアル、FAQなどをアップロードするだけで、AIが自動的に学習します
- 複数モデルのサポート:GPT-4o、GPT-4o mini、o1など、複数のAIモデルから選択可能です
- 安全性の確保:企業のセキュリティポリシーに準拠し、データの機密性を保持します
- 迅速な導入:従来数週間から数か月かかっていたファインチューニングが、数時間で完了します
Copilot Tuningの活用シーン
1. カスタマーサポートの自動化
製品マニュアルやFAQデータを学習させることで、顧客からの問い合わせに自動で対応するAIエージェントを構築できます。
営業時間外でも顧客対応が可能になり、顧客満足度の向上につながります。
2. 社内ヘルプデスク
人事規程、経費精算ルール、ITヘルプデスクのマニュアルなどを学習させることで、従業員からの問い合わせに即座に回答できる社内AIエージェントを構築できます。
人事部門やIT部門の負担が大幅に軽減されます。
3. 営業支援
過去の営業資料、提案書、事例集などを学習させることで、営業担当者が顧客に最適な提案を迅速に作成できるようサポートします。
新人営業担当でもベテラン並みの提案が可能になります。
4. 専門分野の知識提供
医療、法律、金融などの専門分野のデータを学習させることで、その分野に特化したAIアシスタントを構築できます。
専門家の作業効率を高め、より高度な業務に集中できる環境を整えます。
Copilot Tuningの料金体系
Copilot Tuningは、Microsoft Copilot Studioのライセンスに含まれており、以下の料金体系となっています。
| 項目 | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| Microsoft Copilot Studio | $200/月(テナント) | 25,000メッセージ含む |
| 追加メッセージ | $0.01/メッセージ | 25,000メッセージを超えた場合 |
| ファインチューニング | 従量課金 | 学習データ量により変動 |
Copilotの学習データはどこから取得される?
この章のポイント:Microsoft 365 Copilotは、ユーザーがアクセス権を持つMicrosoft 365内のデータのみを参照します。セキュリティとプライバシーが厳格に管理されており、企業データの機密性が保護されています。
Copilotの学習データがどこから取得されるのか、多くの方が気になるポイントではないでしょうか。
特に企業で利用する場合、データのセキュリティとプライバシーは非常に重要な課題です。
Microsoft 365 Copilotのデータ取得範囲
Microsoft 365 Copilotは、以下の範囲からデータを取得し、回答を生成します。
- Microsoft Graph:ユーザーがアクセス権を持つMicrosoft 365内のメール、文書、チャット、会議、連絡先などのデータ
- SharePointとOneDrive:組織内で共有されているファイルやドキュメント
- Teams:チャット履歴、会議の議事録、共有ファイル
- Outlook:メール、予定表、連絡先
- その他Microsoft 365アプリ:Loop、OneNote、Plannerなど
重要なポイント
Copilotは、ユーザーが既にアクセス権を持っているデータのみを参照します。
つまり、あなたがアクセスできないファイルや情報は、Copilotも参照できません。これにより、組織内のセキュリティポリシーが維持されます。
データの保存期間と範囲
Copilotが参照できるデータの範囲や保存期間については、以下の通りです。
| データタイプ | 参照範囲 | 保存期間 |
|---|---|---|
| メール | 受信トレイ、送信済みアイテムなど | ユーザーのメールボックス保持ポリシーに準拠 |
| ファイル | SharePoint、OneDrive内のファイル | 削除されるまで永続的 |
| チャット | Teams内のチャット履歴 | 組織のデータ保持ポリシーに準拠 |
| 会議 | 会議の録画、文字起こし、議事録 | SharePointに保存されている限り参照可能 |
外部データの統合
Microsoft 365 Copilotは、Microsoft Graph Connectorを使用することで、外部のデータソースと統合することも可能です。
これにより、以下のような外部システムのデータもCopilotに学習させることができます。
- Salesforce、ServiceNowなどのSaaSアプリケーション
- 社内のデータベースやファイルサーバー
- クラウドストレージサービス(Box、Dropboxなど)
- その他のビジネスアプリケーション
Copilot学習データのセキュリティとプライバシー
この章のポイント:MicrosoftはCopilotのセキュリティとプライバシーを最優先事項としており、多層的な保護対策が実装されています。企業データは厳格に管理され、AIの学習に利用されることはありません。
企業がCopilotを導入する際、最も懸念されるのがセキュリティとプライバシーの問題です。
Microsoftは、これらの課題に対して包括的な対策を講じています。
Copilotのセキュリティ対策
1. 商用データ保護(Commercial Data Protection)
Microsoft 365 Copilotでは、ユーザーのプロンプトと応答データは保存されず、Microsoftがアクセスすることもありません。
また、これらのデータはAIモデルの学習に一切使用されません。
2. アクセス権の厳格な管理
Copilotは、ユーザーが既に持っているアクセス権の範囲内でのみデータを参照します。
これにより、組織の既存のセキュリティポリシーとアクセス制御が維持されます。
3. データの暗号化
すべてのデータは、転送中および保存時に暗号化されます。
業界標準のTLS(Transport Layer Security)とAES(Advanced Encryption Standard)が使用されています。
4. コンプライアンス認証
Microsoft 365 Copilotは、以下のような国際的なコンプライアンス基準を満たしています。
- ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメント)
- ISO/IEC 27018(クラウドにおける個人情報保護)
- SOC 2 Type 2(セキュリティ管理体制)
- GDPR(EU一般データ保護規則)
- HIPAA(医療情報プライバシー法)
5. 監査ログとモニタリング
Copilotの使用状況は詳細にログに記録され、管理者は監査ログを通じて、誰が、いつ、どのようにCopilotを使用したかを追跡できます。
プライバシー保護の仕組み
Copilotは、以下の原則に基づいてプライバシーを保護しています。
- データの所有権:ユーザーと組織がデータの完全な所有権を持ちます
- データの透明性:Copilotがどのデータを参照したかを明示します
- ユーザーコントロール:ユーザーはCopilotの使用を制御し、必要に応じて無効化できます
- データの分離:組織間でデータが共有されることはありません
企業がとるべきセキュリティ対策
Microsoft側のセキュリティ対策に加えて、企業側でも以下の対策を講じることが推奨されます。
推奨セキュリティ対策
- アクセス権の見直し:Copilot導入前に、既存のアクセス権を見直し、必要以上の権限が付与されていないか確認しましょう
- 機密情報の分類:機密度の高い情報には適切なラベルを付与し、アクセス制限を設定しましょう
- 利用ガイドラインの策定:Copilotの適切な使用方法に関する社内ガイドラインを策定し、従業員に周知しましょう
- 定期的な監査:Copilotの使用状況を定期的に監査し、不適切な使用がないか確認しましょう
- 従業員教育:セキュリティとプライバシーに関する従業員教育を定期的に実施しましょう
Copilot学習データの管理と最適化
この章のポイント:効果的なCopilot活用には、学習データの適切な管理と継続的な最適化が不可欠です。データの質を高め、定期的にメンテナンスすることで、Copilotのパフォーマンスを最大化できます。
データ品質の重要性
Copilotの回答精度は、学習データの品質に直接影響されます。質の高いデータを提供することで、より正確で有用な回答を得ることができます。
高品質なデータの特徴
- 正確性:情報が正確で、誤りや古い情報が含まれていない
- 完全性:必要な情報がすべて含まれており、欠落がない
- 一貫性:同じトピックに関する情報が矛盾していない
- 関連性:業務に関連する情報が適切に整理されている
- 最新性:常に最新の情報に更新されている
効果的なデータ管理のステップ
ステップ1:データの棚卸しと整理
まずは、組織内にどのようなデータが存在するかを把握しましょう。以下の観点でデータを分類します。
- 業務マニュアルや手順書
- 製品・サービスに関する資料
- 顧客データやFAQ
- 過去のプロジェクト資料
- 社内規程やポリシー
ステップ2:データのクリーニング
収集したデータから、古い情報や不正確な情報を取り除き、最新かつ正確な状態に整えます。
データクリーニングのチェックリスト
- 重複データの削除
- 古い情報の更新または削除
- 不完全なデータの補完
- フォーマットの統一
- 誤字脱字の修正
ステップ3:データの構造化
Copilotが効率的にデータを参照できるよう、適切に構造化します。
- ファイル名の統一:検索しやすい命名規則を定めます
- メタデータの付与:タイトル、作成日、タグなどを設定します
- フォルダ構造の最適化:論理的なフォルダ階層を構築します
- ドキュメントの分割:大きなファイルは、トピックごとに分割します
ステップ4:継続的なメンテナンス
データは定期的に見直し、更新することが重要です。以下のスケジュールで定期メンテナンスを実施しましょう。
| 頻度 | 実施内容 |
|---|---|
| 週次 | 新規ドキュメントの追加、緊急性の高い情報の更新 |
| 月次 | アクセス権の見直し、使用状況の分析 |
| 四半期 | データ全体の棚卸し、古い情報の削除 |
| 年次 | データ戦略の見直し、大規模なデータ整理 |
Copilotのパフォーマンス測定
Copilotの効果を最大化するには、定期的にパフォーマンスを測定し、改善点を特定することが重要です。
測定すべき指標
- 回答精度:Copilotの回答がどれだけ正確かを評価します
- 利用率:組織内でどれだけCopilotが活用されているかを測定します
- 時間削減効果:Copilot導入前後で、業務時間がどれだけ削減されたかを測定します
- ユーザー満足度:利用者からのフィードバックを収集し、満足度を評価します
- エラー率:Copilotが誤った情報を提供した頻度を追跡します
Microsoft 365 Copilotの料金体系
この章のポイント:Microsoft 365 Copilotの利用には、基本のMicrosoft 365ライセンスに加えて、Copilot専用のライセンスが必要です。料金体系を理解し、費用対効果を検討しましょう。
Microsoft 365 Copilotの料金プラン
Microsoft 365 Copilotを利用するには、以下の2つのライセンスが必要です。
| ライセンス | 料金(月額) | 内容 |
|---|---|---|
| Microsoft 365基本ライセンス | 約2,390円〜 | E3、E5、Business Standard、Business Premiumのいずれか |
| Microsoft 365 Copilotライセンス | 4,497円 | Copilot機能の利用権 |
| 合計 | 約6,887円〜 | 1ユーザーあたりの月額費用 |
個人向けCopilot Proとの比較
法人向けのMicrosoft 365 Copilotと、個人向けのCopilot Proの違いを理解しておきましょう。
| 機能 | Copilot Pro(個人向け) | Microsoft 365 Copilot(法人向け) |
|---|---|---|
| 月額料金 | 3,200円 | 4,497円(+基本ライセンス) |
| Office連携 | あり | あり(より高度) |
| 社内データ活用 | なし | あり |
| 商用データ保護 | なし | あり |
| 管理機能 | なし | あり |
| カスタマイズ | 限定的 | 高度なカスタマイズ可能 |
追加オプションとコスト
基本ライセンスに加えて、以下のような追加オプションが利用可能です。
- Microsoft Copilot Studio:月額$200(テナント単位)+ 従量課金
- Graph Connectors:外部データソース統合(料金は接続先により変動)
- 追加ストレージ:OneDrive、SharePointの容量追加(別途料金)
費用対効果の試算
Copilot導入の投資対効果(ROI)を試算してみましょう。以下は一般的な試算例です。
試算例:従業員100名の企業の場合
- 月額コスト:約68万円(100名 × 6,887円)
- 年間コスト:約826万円
- 時間削減効果:1人あたり週5時間の削減(業界平均)
- 削減時間の金銭換算:約2,000万円/年(平均時給4,000円換算)
- ROI:約142%の投資回収
この試算からも分かるように、適切に活用すれば、Copilotは高い投資対効果が期待できます。
Copilot学習データに関するよくある質問(FAQ)
この章のポイント:Copilotの学習データに関して、多くの方が疑問に思う点を15個のQ&A形式でまとめました。導入前の不安や疑問を解消し、安心してCopilotを活用するための情報を提供します。
Q1: Copilotは私の入力したプロンプトを学習に使用しますか?
A: いいえ、使用しません。Microsoft 365 Copilotでは、ユーザーのプロンプトと応答データは保存されず、Microsoftのモデル学習に一切使用されません。これは「商用データ保護(Commercial Data Protection)」と呼ばれる機能により保証されています。あなたが入力した質問内容や、Copilotが生成した回答は、AIの学習データとして使われることはなく、セッション終了後は保持されません。ただし、管理者による監査ログには記録される場合がありますので、社内の利用ポリシーを確認することをお勧めします。
Q2: Copilotが参照できるデータの範囲はどこまでですか?
A: Copilotは、ユーザーが既にアクセス権を持っているMicrosoft 365内のデータのみを参照します。具体的には、以下のデータが対象となります。
- SharePointやOneDrive上の文書(アクセス権がある範囲のみ)
- Teamsのチャット履歴や会議の議事録(参加している会議のみ)
- Outlookのメールや予定表(自分のメールボックス内のみ)
- OneNote、Loop、Plannerなどのコンテンツ
重要なのは、アクセス権がないファイルや情報には、Copilotもアクセスできないということです。これにより、組織のセキュリティポリシーが維持され、情報漏洩のリスクが最小化されます。したがって、Copilot導入前には、既存のアクセス権設定を見直し、適切な権限管理を行うことが重要です。
Q3: 古いデータもCopilotは参照しますか?いつまでのデータが対象ですか?
A: はい、参照します。削除されていない限り、作成日時に関わらず、古いデータもCopilotの参照範囲に含まれます。ただし、Copilotは文書の作成日時、更新日時、アクセス頻度なども考慮するため、一般的には最新の情報を優先的に提示する傾向があります。
データの保存期間については、以下の通りです。
| データタイプ | 参照期間 |
|---|---|
| SharePoint/OneDriveのファイル | 削除されるまで永続的 |
| Teamsのチャット | 組織のデータ保持ポリシーに準拠 |
| メール | メールボックスの保持ポリシーに準拠 |
| 会議の録画・文字起こし | SharePointに保存されている限り参照可能 |
古い情報による誤った回答を防ぐためには、定期的にデータを見直し、不要になった古い情報は削除するか、アーカイブすることをお勧めします。特に、方針変更や規程改定があった場合は、旧版の文書を適切に管理することが重要です。
Q4: 個人のOneDriveのデータもCopilotは学習しますか?
A: Copilotは「学習」するのではなく、「参照」します。この違いは非常に重要です。個人のOneDriveに保存されているデータも、そのユーザーがCopilotを使用する際には参照対象となります。ただし、他のユーザーからはアクセスできません。
具体的には以下のような動作となります。
- 自分のOneDrive:自分がCopilotを使う場合、参照対象になる
- 他人のOneDrive:共有設定されていない限り、参照できない
- 共有されたOneDrive:共有権限に応じて参照可能
組織全体で共有したい情報や、チームで活用したいナレッジは、個人のOneDriveではなく、SharePointのチームサイトに保存することをお勧めします。これにより、Copilotが組織のナレッジを効果的に活用でき、チーム全体の生産性が向上します。
Q5: Copilotの回答が間違っていた場合、どうすればいいですか?
A: Copilotの回答が誤っている場合、以下の対応を行いましょう。
誤回答への5つの対処法
- フィードバックを送信:回答の下にある「」「」ボタンから、誤りを報告する。具体的にどこが間違っているか記述すると、より有効です
- 元データを修正:回答の根拠となったデータに誤りがある場合は、そのデータを修正する。これにより、今後の回答精度が向上します
- プロンプトを改善:質問の仕方を具体的に書き直して、再度質問する。「○○について教えて」ではなく、「○○の最新版(2025年版)の手順を教えて」のように具体的に指定します
- 情報源を確認:Copilotが提示した情報源を確認し、参照元が適切かチェックする
- 人間による最終確認:重要な決定には、Copilotの回答を鵜呑みにせず、必ず人間が確認・検証する
特に、契約書、法的文書、医療情報、財務データなど、ミスが許されない情報については、必ず専門家による確認を行ってください。
Q6: 特定のファイルやフォルダをCopilotの参照対象から除外できますか?
A: 直接的に「このファイルはCopilotに参照させない」という設定はありませんが、以下の方法で実質的に除外できます。
| 方法 | 実装方法 | 効果 |
|---|---|---|
| アクセス権の制限 | 機密ファイルに厳密なアクセス制限を設定 | アクセス権がないユーザーのCopilotは参照不可 |
| 情報保護ラベル | Microsoft Purviewで機密ラベルを付与 | 特定ラベルのファイルをCopilot参照から除外可能 |
| SharePointサイトの権限管理 | 特定サイトへのアクセスを制限 | サイト全体をCopilot参照から除外 |
| DLP(データ損失防止)ポリシー | Microsoft Purviewで DLPポリシーを設定 | 機密情報の外部送信を防止 |
最も効果的なのは、情報保護ラベルとアクセス権の組み合わせです。機密度に応じて適切なラベルを付与し、アクセス権を厳格に管理することで、セキュリティを確保しながらCopilotを活用できます。
Q7: Copilotを複数の言語で使用できますか?
A: はい、Copilotは多言語対応しており、日本語を含む複数の言語で利用可能です。対応言語は以下の通りです。
- 英語(米国、英国、オーストラリアなど各地域)
- 日本語
- 中国語(簡体字、繁体字)
- 韓国語
- スペイン語
- フランス語
- ドイツ語
- イタリア語
- ポルトガル語
- その他主要言語
ユーザーの使用言語(Microsoft 365の表示言語設定)に合わせて自動的に応答言語が調整されます。グローバル企業でも安心して導入でき、国際的なコミュニケーションを円滑にします。また、異なる言語間での翻訳支援も可能で、「この日本語の文書を英語に翻訳して」といった指示にも対応できます。
2025年のアップデートにより、日本語対応が特に強化され、日本語特有の表現や文化的背景を理解した上での回答ができるようになっています。
Q8: Copilotの回答はどの程度信頼できますか?
A: Copilotは高度なAI技術(GPT-4やGPT-5)を使用していますが、100%完璧ではありません。回答の信頼性は、以下の要因に依存します。
回答の信頼性に影響する要因
- 元データの質:参照する社内データが正確であれば、回答の精度も高くなります
- 質問の具体性:曖昧な質問よりも、具体的な質問の方が正確な回答が得られます
- 情報の最新性:最新のデータを参照できる場合、回答の信頼性が高まります
- トピックの複雑さ:単純な事実確認は高精度、複雑な推論は慎重な確認が必要です
信頼性を確保するための3つの原則:
- 情報源の確認:Microsoft 365 Copilotでは、回答の根拠となった情報源を提示する機能があるため、その情報源を確認しましょう
- 批判的思考:Copilotの回答を鵜呑みにせず、常に批判的に検証する姿勢を持ちましょう
- 人間による最終判断:特に重要な意思決定や、法的文書、医療情報、財務データなどについては、必ず人間が内容を確認し、検証することが推奨されます
Copilotはあくまで「アシスタント」として活用し、最終判断は人間が行うべきです。特に、生成AIには「ハルシネーション(もっともらしい誤情報の生成)」という特性があることを理解しておくことが重要です。
Q9: Copilotの利用状況を管理者が監視できますか?
A: はい、できます。Microsoft 365管理センターでは、Copilotの利用状況レポートを確認できます。2025年6月のアップデートで導入されたCopilot Analyticsでは、以下のような詳細な情報を把握できます。
| 監視可能な項目 | 内容 |
|---|---|
| アクティブユーザー数 | Copilotを実際に使用しているユーザー数 |
| 利用頻度 | ユーザーごとの使用回数や使用時間 |
| 機能別使用状況 | どの機能(Word、Excel、Teamsなど)がよく使われているか |
| プロンプトカテゴリ | 「質問と検索」「状況把握」「下書き作成」などカテゴリ別の使用状況 |
| エージェント使用状況 | カスタムエージェントの利用状況とコスト |
| ROI測定 | 時間削減効果や生産性向上の指標 |
重要な注意点:管理者は使用状況の統計データは確認できますが、個々のプロンプト内容や回答内容は、プライバシー保護の観点から管理者も閲覧できません。これにより、従業員のプライバシーが保護されつつ、組織全体の活用状況を把握できます。
管理者は、これらのデータを活用して、Copilotの活用を促進するための施策(追加研修の実施、ベストプラクティスの共有など)を立案できます。
Q10: Copilotは小規模企業でも導入すべきですか?
A: 小規模企業であっても、業務効率化や生産性向上のメリットは十分に得られます。ただし、コストと効果を慎重に検討する必要があります。
小規模企業にとってのメリット
- 人手不足の解消:限られた人員で多くの業務をこなす必要がある小規模企業では、Copilotによる業務効率化の効果が大きい
- 専門知識の補完:専任の専門家を雇用できない分野でも、Copilotのサポートにより高度な業務が可能
- 迅速な導入:大企業と比べて意思決定が速く、導入から効果実感までのスピードが早い
- 全員教育の容易さ:従業員数が少ない分、全員がCopilotを使いこなせるようになるまでの教育がスムーズ
小規模企業にとっての課題
- コスト負担:1ユーザーあたり月額約6,887円(基本ライセンス込み)のコストが、小規模企業には重い負担となる可能性
- データ量の少なさ:社内に蓄積されたデータが少ない場合、RAGやファインチューニングの効果が限定的
- IT管理者の不在:専任のIT管理者がいない場合、適切な設定や管理が難しい
小規模企業におすすめの導入ステップ:
- 無料版から開始:まずは無料版のCopilotで基本機能を体験し、効果を確認
- 少人数トライアル:2025年9月のアップデートで非ライセンスユーザーでも多くの機能が使えるようになったため、まずは少人数で試す
- 効果測定:時間削減効果や業務効率化の度合いを具体的に測定
- 段階的拡大:効果が確認できたら、段階的に利用者を増やす
- Microsoft認定パートナーに相談:導入支援やトレーニングを受けることで、スムーズな導入が可能
従業員数が5〜50人程度の企業であれば、月額30万円〜の投資で、年間数百万円分の時間削減効果が期待できるため、十分に投資回収が可能です。
Q11: Copilotはインターネットに接続できない環境でも使えますか?
A: いいえ、Microsoft 365 Copilotはクラウドベースのサービスであるため、インターネット接続が必須です。Copilotは、Microsoft Azureで動作する大規模言語モデルにアクセスして回答を生成するため、オフライン環境では使用できません。
ただし、以下の点に注意してください。
- 常時接続は不要:使用する瞬間のみ接続が必要で、常時接続である必要はありません
- 低速回線でも利用可能:テキストベースのやり取りが中心なので、極端に低速でなければ利用可能です
- オフライン作業との併用:オフラインで作業した内容を、オンラインになった時にCopilotで編集・改善することは可能です
Q12: Copilotの回答を社外に共有しても問題ありませんか?
A: 慎重な検討が必要です。Copilotが生成した内容を社外に共有する前に、以下の点を確認してください。
社外共有前のチェックリスト
- □ 機密情報の確認:社内の機密情報が含まれていないか確認する
- □ 内容の正確性:情報が正確かどうか、人間が検証する
- □ 著作権の確認:第三者の著作権を侵害していないか確認する
- □ 法的リスクの評価:契約書や法的文書の場合は、法務部門の確認を得る
- □ 企業としての責任:Copilotが生成した内容でも、最終的な責任は企業が負うことを認識する
- □ 社内規程の確認:AI生成コンテンツの社外共有に関する社内ルールを確認する
特に、顧客向けの提案書、契約書、公開資料などは、必ず人間が最終確認を行い、承認プロセスを経てから共有してください。
Q13: Copilotのアップデートはどのくらいの頻度で行われますか?
A: Microsoft 365 Copilotは、毎月新機能やアップデートがリリースされています。2025年は特にアップデートのペースが加速しており、以下のような頻度で更新されています。
| アップデート種類 | 頻度 | 内容 |
|---|---|---|
| 新機能リリース | 月次 | 新しい機能の追加や既存機能の強化 |
| バグ修正・改善 | 随時 | 不具合の修正やパフォーマンス改善 |
| AIモデルの更新 | 四半期ごと | より高度なAIモデルへのアップグレード |
| 大型アップデート(Wave) | 年2回(春・秋) | 大規模な機能追加や仕様変更 |
アップデートは自動的に適用されるため、ユーザーや管理者が特別な作業を行う必要はありません。ただし、最新情報をキャッチアップすることが重要です。以下のリソースで最新情報を確認できます。
- Microsoft 365 Copilotリリースノート(毎月更新)
- Microsoft Tech Community(新機能の発表とディスカッション)
- Microsoft Learnの更新情報
- Microsoft 365 Message Center(管理者向け通知)
Q14: Copilotのデータ処理はどこで行われますか?日本国内で完結しますか?
A: Microsoft 365 Copilotのデータ処理は、Microsoft Azureのデータセンターで行われます。データの保存場所と処理場所については、以下の通りです。
- テナントデータ(保存データ):日本リージョンを選択している場合、SharePoint、OneDrive、Exchangeなどのデータは日本国内のデータセンターに保存されます
- AI処理(一時的なデータ):Copilotによる処理は、グローバルなAzure OpenAIサービスで実行される場合があり、処理のために一時的にデータが海外のデータセンターに送信される可能性があります
- プロンプトと応答:商用データ保護により、プロンプトと応答は保存されず、処理後は破棄されます
法的規制や社内ポリシーで、データを日本国内に完全に留める必要がある場合は、以下の対策を検討してください。
- Microsoft担当者に、データレジデンシー要件を相談する
- 機密性の高いデータは、Copilot参照対象から除外する
- 法務部門と協議し、コンプライアンス要件を確認する
Q15: Copilotを使うと、従業員のスキルが低下しませんか?
A: これは多くの企業が懸念する点ですが、適切な運用により、むしろスキル向上につながります。
スキル低下を防ぎ、向上させるための5つの方法
- 基礎スキルの習得を優先:新入社員や若手には、まず基本スキルを習得させてからCopilot活用を導入する。Excelの基本関数を理解してから、Copilotで高度な分析を学ぶ
- Copilotを「学習ツール」として活用:Copilotの回答を分析し、「なぜそのような回答になったか」を理解することで、学習効果が高まる
- 批判的思考の育成:Copilotの出力を鵜呑みにせず、常に検証する習慣をつけることで、判断力が向上する
- 人間にしかできない能力の強化:定型業務から解放された時間を使って、創造性、共感力、戦略的思考など、AIでは代替できない能力を磨く
- 段階的な権限付与:経験やスキルレベルに応じて、Copilotの利用範囲を段階的に拡大する
実際、デンソーや日本製鉄などの導入企業では、Copilot活用により従業員のスキルが低下するのではなく、より高度な業務にチャレンジできるようになり、結果的にスキルアップにつながっていると報告されています。
電卓の登場で暗算能力は低下したかもしれませんが、その分、複雑な分析や戦略的思考ができるようになったように、Copilotも同様に、人間をより高次の業務へとシフトさせるツールと言えます。
まとめ:Copilotを「自分専用」に育てて、業務効率を最大化しよう
本記事では、Microsoft Copilotに自社データを学習させ、業務効率を劇的に向上させる方法について解説しました。
最後にもう一度、重要なポイントを振り返ってみましょう。
- 「学習」がカギ
Copilotは標準のままでも優秀ですが、自社のデータやルールを学習させることで、あなたの会社専用の強力なパートナーへと進化します。 - 3つの学習レベル
- 初級(プロンプトエンジニアリング): 指示の出し方を工夫する。今すぐ誰でも無料で始められます。
- 中級(RAG): 社内資料を検索できるように連携する。実務で最も効果が出やすい方法です。
- 上級(ファインチューニング): AIの脳みそそのものを自社専用に再教育する。高度ですが、専門的な業務に最適です。
- まずは小さく始めよう
いきなり高額な開発をする必要はありません。まずは日常の「プロンプト」を工夫することから始め、徐々に社内データ連携(RAG)へとステップアップしていくのが成功の近道です。
Copilotは、使えば使うほど、そして正しく教えれば教えるほど、頼もしい「副操縦士」になってくれます。
セキュリティやコストバランスを考慮しつつ、ぜひあなたや組織に最適な方法でCopilotを育て、業務の自動化・効率化を実現してください!
以下のリンクでMicrosoft 365 Copilotの活用事例と便利な使い方についてまとめた記事を書いています。
→Microsoft 365 Copilotで何ができる?活用事例と便利な使い方完全ガイド
以下のリンクでCopilot in PowerPointについてまとめた記事を書いています。もしよろしければご覧ください。
→Copilot in PowerPoint完全ガイド!スライド作成をAIで劇的効率化
以下のリンクでCopilot in Excelについてまとめた記事を書いています。もしよろしければご覧ください。
→【2025年最新版】Copilot Excelの使い方完全ガイド|データ分析が劇的に効率化
以下のリンクでMicrosoft 365 Copilotについてまとめた記事を書いています。
→Microsoft 365 Copilotについて徹底解説《機能、特徴、メリット、使い方》



















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